「スプリットライト」復活へ
次世代バッテリー&iDrive 9
レベル3自動運転に布石

BMWはフラッグシップセダン「7シリーズ」に対して、フェイスリフトモデルを開発中であることを発表した。通称はマイナーチェンジながら、デザイン、電動化戦略、デジタル技術に至るまで包括的に刷新する意向だ。発表は2026年と予測されており、BMWの次世代戦略がこの一台に集約される見込みだ。
最も注目されるのは、フロントの「スプリットヘッドランプ」の復活だ。上下に分かれたヘッドライト構成により、上部に薄いデイタイムランニングライト、下部に主要ランプを配置するデザインとなっている。この手法はX7とも共通しており、今後のBMWデザインの象徴となる可能性を秘めている。リアは水平型の太いライトバーが特徴で、夜間に視認性と存在感を高める設計だ。


新型バッテリー「Gen6」採用
iDrive 9でデジタル進化
パワートレイン面よりも、技術やデジタル面の進化に期待が集まっている。EVモデル「i7」では、世界初として円筒形バッテリー「Gen6」を導入する予定で、従来比でエネルギー密度の向上と重量軽減を両立させつつ、最大260kWの急速充電にも対応可能となる見通しだ。
インフォテインメントには、Androidベースで再設計された「iDrive 9」が採用される見込みで、アプリストアや映像配信、ゲーム、ヘルスケア機能にも対応する。車両を移動するコンテンツハブへと変貌させるこの設計は、BMWがソフトウェア中心のモビリティ企業への進化を目指すことを物語る。

レベル3自動運転に前進
次世代7シリーズの革新
安全・自動運転機能にも大きな手が加えられる見通しで、LiDAR(ライダー)や5Dレーダーを活用した高度なADAS(先進運転支援システム)を搭載。ドイツを皮切りに、順次日本などでもレベル3自動運転の提供を目指しており、機能はサブスクリプション形式で提供され、OTAによるアップデートで継続的に進化する構造となる可能性が高い。
このフェイスリフト版7シリーズは、実質的には新世代モデルとしての性格を帯びており、7シリーズの未来像を具現化するプラットフォームとなる可能性がある。BMWが誇る伝統的なフラッグシップの姿を尊重しつつ、電動化とデジタル化時代における革新性を強く打ち出した一手として、自動車業界の勢力図にも影響を与えることが予想される。