2026年に延期確定!レンジローバー初の電気SUV「エレクトリック」登場遅れ、JLRのEV戦略に再び影響

レンジローバーEV、発売は2026年に延期
品質重視で開発スケジュール見直し
電動化戦略は継続の方針

 引用:ジャガー・ランドローバー

ジャガー・ランドローバー(JLR)が開発を進めているフラッグシップEV「レンジローバー・エレクトリック」の発売時期が、当初予定されていた2025年末から2026年へと延期された。公式ウェブサイトでも明確な説明はないが、JLRは「さらなる検証期間が必要」とし、品質と信頼性の確保を最優先すると説明している。

同モデルは、JLRが初めて独自に設計したEVプラットフォームを採用する高級SUVで、ブランド史上もっとも革新的な車両とされる。内燃機関モデルと同じMLAプラットフォームをベースに、117kWhの大容量バッテリーを搭載し、344個の角形セルを2層に積層。航続距離は500km以上を目標としており、デュアルモーター仕様で出力は500馬力を超える見込みだ。

 引用:ジャガー・ランドローバー
 引用:ジャガー・ランドローバー

高性能と完成度を優先
市場環境も発売延期に影響

高い走破性もこのモデルの特長で、水深850mmの渡河性能と最大2,800kgの牽引能力を備えるとされる。JLRは「新たなパワートレインと高出力急速充電システムの検証に、想定以上の時間がかかっている」と述べており、完成度重視の開発方針を貫いている。

延期の背景には、世界的なEV需要の鈍化や米中間の貿易摩擦、米国での25%の輸入車関税といった市場外的要因も影響している。JLRにとって最大規模のEV市場である米国での収益性が低下すれば、グローバル販売戦略そのものの見直しを迫られる形となる。

 引用:ジャガー・ランドローバー

他のEV計画にも遅れ
アジア展開にも影響必至

また、今回の延期はJLRの電動化計画全体にも波及している。ジャガーブランド初のEVセダン「タイプ00」は当初2026年8月生産開始が予定されていたが、現時点では6カ月以上の遅れが見込まれている。ミドルサイズSUV「ヴェラール」のEV版も2026年4月の量産を目指しているが、部品供給と認証手続きの問題に直面している。

日本を含むアジア地域でも「レンジローバー・エレクトリック」の導入が計画されていたが、今回のスケジュール変更により、現地消費者への影響は避けられない見通しだ。それでもJLRは「電動化戦略を止めることはない」と明言しており、「急ぐ必要はない。ブランドの未来を担う完成度を優先する」との姿勢を貫いている。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2025-0055-33863998-thumb
見えない凍結が最も危険、ブラックアイスバーンの正体
CP-2025-0055-33863295-thumb
冬の雪道安全運転ガイド、スノータイヤと制動の基本
CP-2022-0028-33856756-thumb
「5秒の確認で防げる」冬に危険なバッテリーの色サイン
CP-2023-0065-33852598-thumb
「技術をすべて受け入れる」トヨタ・日産、中国市場で生き残るための決断
CP-2023-0065-33844709-thumb
「氷点下71度でも車は走る」世界最低気温地帯の車両運行法
CP-2024-0164-33930892-thumb
「なぜここまで差が出る?」10万kmで終わるエンジンと50万km走る違い
CP-2023-0186-33867709-thumb
「ベテランでも9割が間違える」冬のスリップ時、正しいハンドル方向
CP-2025-0055-33840912-thumb
「突然つかない…」冬に裏切るシートヒーター、最も多い原因
  • アクセスランキング

    見えない凍結が最も危険、ブラックアイスバーンの正体
    冬の雪道安全運転ガイド、スノータイヤと制動の基本
    「5秒の確認で防げる」冬に危険なバッテリーの色サイン
    「技術をすべて受け入れる」トヨタ・日産、中国市場で生き残るための決断
    「氷点下71度でも車は走る」世界最低気温地帯の車両運行法
    「なぜここまで差が出る?」10万kmで終わるエンジンと50万km走る違い
    「ベテランでも9割が間違える」冬のスリップ時、正しいハンドル方向
    「突然つかない…」冬に裏切るシートヒーター、最も多い原因
    「朝の霜取りが一瞬で終わる」3秒で窓が溶ける原理とは
    「911だけは守る」電動化時代でも越えなかったポルシェの一線

    最新ニュース

    CP-2025-0055-33863998-thumb
    見えない凍結が最も危険、ブラックアイスバーンの正体
    CP-2025-0055-33863295-thumb
    冬の雪道安全運転ガイド、スノータイヤと制動の基本
    CP-2022-0028-33856756-thumb
    「5秒の確認で防げる」冬に危険なバッテリーの色サイン
    CP-2023-0065-33852598-thumb
    「技術をすべて受け入れる」トヨタ・日産、中国市場で生き残るための決断
    CP-2023-0065-33844709-thumb
    「氷点下71度でも車は走る」世界最低気温地帯の車両運行法
    CP-2024-0164-33930892-thumb
    「なぜここまで差が出る?」10万kmで終わるエンジンと50万km走る違い

    主要ニュース

    CP-2025-0055-33841912-thumb
    「朝の霜取りが一瞬で終わる」3秒で窓が溶ける原理とは
    CP-2022-0212-33821908-thumb
    「911だけは守る」電動化時代でも越えなかったポルシェの一線
    CP-2022-0212-33821909-thumb
    今のテスラが中国EVを手本にしていた?元幹部証言で見えた開発の裏側
    CP-2023-0065-33850417-thumb
    EV総量とほぼ同数、マスタングが追いついたフォード販売の異変
    CP-2023-0065-33846059-thumb
    SF映画のような金色ボディと低い地上高、テスラ「ロボバン」映像が再拡散した理由
    CP-2023-0065-33837901-thumb
    「テスラの弱点解消?」運転者のための物理ボタンが突然現れた