戦場の技術が、あなたの荷物を運ぶ日が来る!? 自動車メーカーが防衛産業になだれ込む理由とは

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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アメリカに続き、ヨーロッパでも自動車産業と防衛産業の境界が崩れつつある。自動車業界の大量生産能力を防衛産業に移植するレベルを超え、戦場で発展した技術を自動車業界が応用しようとする試みだ。軍需がウクライナ戦争や中東情勢の緊迫化で急増する中、自動車業界はアメリカの関税や中国の低価格攻勢などで苦戦しており、両産業の利害関係が一致したとの分析も出ている。

ダイムラー、防衛産業の売上目標を2倍に引き上げ、達成時期も2年前倒しした

3日(現地時間)フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、ダイムラー・トラックのカリン・ラドストロム最高経営責任者(CEO)はFTのインタビューで「現在進行中の防衛産業分野の多くの革新が民需部門にも役立つ」と述べた。さらに「会社の防衛事業が予想以上に成長している」とし、「防衛産業界自体も既存事業より早く成長している」と付け加えた。

実際、ダイムラー・トラックは6月に軍用車両の開発・生産と海外販売拡大に数億ユーロを投資すると発表した。防衛産業売上を2028年までに10億ユーロ(約1,800億円)に2倍増やすことにし、2030年に設定していた既存目標も2年前倒しした。アメリカの関税障壁と北米市場の低迷で収益性が悪化したため、防衛産業を新たな成長軸に据えたのだ。

まずダイムラー・トラックは少量生産に慣れた伝統的な防衛産業メーカーよりも生産量を迅速に増やせると見ている。ドイツのヴェルトとフランスのモルスハイム工場の既存商用車生産ラインで軍用モデルを作ることも可能だ。ラドストロムCEOは「各国の国防省に今必要なのは、より多くの生産能力をできるだけ早く確保することだ」と強調した。

戦場の自動運転技術、民間物流に生かす

ダイムラー・トラックは防衛産業を軍用車両の販売拡大にとどめず、民需事業の競争力を高める足がかりにする意向も示した。戦場で発展した自動運転・遠隔操縦・隊列走行技術を民間物流へ引き寄せる構想が代表的だ。ここにはトラック輸送コストの約40%を人件費が占めるため、関連技術で運転人員を減らし、車両を夜間にも運行させることで収益性を大幅に向上させる計算がある。2027年にアメリカ国内の指定区域に自動運転トラックを供給し、2028年から本格的に普及させるというのが会社側の計画だ。

防衛産業界の開発サイクルが民間自動車業界より短い点もダイムラーが注目するポイントだ。戦場では新技術をすぐに投入した後、性能を補完する形でソフトウェアとハードウェアの開発が迅速に進むからだ。

ルノー・フォルクスワーゲンも防衛産業に参入している

ヨーロッパの他の自動車メーカーも防衛産業との接点を広げている。フランスのルノーは6月に防衛産業メーカーのタレスとハイブリッド4輪駆動軍用車を発表した。ルノーの大量生産能力にタレスの軍用セキュリティ通信と戦場接続技術を組み合わせた車両だ。

2027年に完成車生産が終了する予定のフォルクスワーゲンのドイツ・オスナブリュック工場は防衛産業生産基地への転換が進められている。イスラエル国営防衛産業メーカーのラファエルが当該工場を活用してミサイル防衛システム「アイアンドーム」関連部品を生産する案が取り上げられている。実現すれば2000人以上の従業員の雇用が維持されるなど、産業の空白を最小限に抑えることができる。

アメリカ、自動車の量産網を軍需供給網に移植する

アメリカでは自動車業界の大量生産インフラを軍需供給網に活用する取り組みが加速している。フォードは先月、アメリカ陸軍の重量級歩兵分隊車両(ISV-H)試作車の開発企業に選定され、1990年の防衛事業撤退以来36年ぶりに大規模な軍納競争に参入した。自社のベストセラーのピックアップトラック「Fシリーズ」を活用して開発期間と生産コストを削減するという戦略だ。

GMも防衛子会社GMディフェンスを通じて軍用車両事業を拡大する一方、ロッキード・マーティンと提携した。両社はロッキード・マーティンの防衛生産のノウハウとGMの量産・供給網管理能力を組み合わせる可能性を探ることで合意した。

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