
高速道路で渋滞に巻き込まれたとき、多くのドライバーが同じ疑問を抱く。信号もないのに、なぜ道路が駐車場のように詰まるのか。先頭を走る車は一体何をしているのか。結論から言えば、先頭の車のせいではない。答えは自然渋滞と呼ばれる現象にある。事故や車線減少といった明確な原因がないまま渋滞が起きる現象で、通勤時間帯や交通量が集中する区間で多くみられる。

仕組みはこうだ。一定の速度で流れている車列の中で1台が急に速度を落とすと、後続車も次々に減速する。後ろへ行くほど車間距離が詰まり、ブレーキを踏む時間も長くなるため、最後尾ではついに停止に至る。この時点で渋滞区間が生まれ、誰もが時間を奪われる渋滞が始まる。

では、順調に走っていた車がなぜ急に速度を落とすのか。最も多い原因は割り込みだ。無理な割り込みをされた車はブレーキを踏まざるを得ず、その後方はさらに大きく減速して連鎖が広がる。割り込んだ車が周囲の流れより遅ければ、その地点が渋滞の起点になる。隣の車線の事故に目を奪われて速度を落とす、スマートフォンに気を取られて急ブレーキを踏むなども要因となる。

渋滞を減らす鍵は、ドライバー一人ひとりの配慮にある。過度な割り込みを控え、追越車線を一定の速度で走り続けず、規定の速度を守ることだ。高速道路には最低速度も定められており、理由なく極端に遅く走れば後続車が詰まる。先頭の車を責めるのではなく、各自が流れを守り配慮して運転することが、自然渋滞を減らす最も現実的な方法といえる。