
【引用:Depositphotos】タイヤの空気圧を補充する際、多くのドライバーが最初に目にするのがタイヤ側面の数値だ。しかし、その数字を基準に空気を入れる行為は、専門家の間では危険視されている。側面に表示されているのは日常走行に適した推奨値ではなく、あくまでタイヤが耐えられる最大空気圧を示した限界値であり、これを適正値と誤認すること自体が大きな落とし穴となる。

【引用:Pixabay】自動車メーカーが想定する適正空気圧は、それよりもはるかに低く設定されている。正しい数値は多くの場合、運転席ドアフレームに貼られたステッカーに明記されており、車両重量やサスペンション特性、走行バランスを考慮した上で決められている。この指定値を無視して最大空気圧まで入れると、タイヤ性能を本来の設計から大きく逸脱させることになる。

【引用:Pixabay】空気圧を過剰に高めると、トレッド中央だけが集中的に摩耗しやすくなり、タイヤ寿命が短くなるだけでなく、乗り心地も著しく悪化する。接地面積が減ることで濡れた路面ではグリップ力が低下し、制動距離が伸びる危険性も高まる。さらに内部圧力が高い状態では、段差や小さな衝撃でも損傷を受けやすく、パンクやバーストのリスクを自ら高める結果となる。

【引用:Depositphotos】最近の車両ではTPMSにより空気圧をリアルタイムで確認できるケースも増えているが、最も確実なのはメーカーが指定した推奨値を守ることだ。ドアフレームのステッカーや取扱説明書を確認し、その数値を基準に調整するだけで、安全性と経済性の両方を確保できる。タイヤ側面の数字は目安ではなく限界値である。この基本を理解しているかどうかが、日常走行の安心を大きく左右する。