日産、ドアロック装置の欠陥を
隠蔽したという疑惑が広がる
集団訴訟にまで発展するのか

自動車メーカーの技術力と信頼性は、単なる性能を超え、消費者の安全に直結する。最近、日産が販売したSUVなどの一部車種でドアロック装置の欠陥問題が浮上し、米国内の消費者間で懸念が広がっている。この欠陥は、走行中に車両のドアが突然開く可能性があるという致命的な危険性を孕んでおり、さらなる論争を呼んでいる。
すでにカリフォルニア州では日産を相手取った集団訴訟が提起された。原告側は日産が車両のロック装置の欠陥を認識しながらも消費者に通知しなかったと主張している。問題の核心は、このロック装置の故障が乗員の生命を脅かす可能性があるという点だ。特にこの問題が2013年から2025年型までのさまざまな日産モデルで発生していることが判明し、その影響は容易には収まらないと見られている。


アルティマやセントラなどの人気モデルも
ドア欠陥集団訴訟の対象に
今回の訴訟で指摘された車両は、日産を代表するSUVモデルのローグをはじめ、アルティマ、セントラなどだ。これらの車両のドアロック装置アクチュエーターに欠陥が生じ、ドアが正常に開閉しない問題が繰り返し報告されている。一部の事例では、走行中にドアが勝手に開くという危険な状況も発生しており、メーカーの責任がより重く問われている。代表原告のディナ・カリファ氏は2020年3月に2020年型日産・ローグを購入したが、この欠陥の存在を事前に知っていれば車を購入しなかっただろうと主張している。
彼女はドアロック装置の故障による直接的な被害は受けていないものの、メーカーが重要な情報を隠蔽した点に着目し、陪審員裁判を要求している。これは単なる消費者の不満を超え、消費者の選択権を侵害した重大な案件として評価されている。訴訟によると、ドアロック装置の欠陥は、ドアが強制的にロックされるか、逆にロックされないという構造的な問題であり、車両への不法侵入や事故のリスクを高める可能性があるという。特に幼い子どもを持つオーナーの不安が大きく、実際にあるオーナーは5か月の赤ちゃんが車内に閉じ込められる事故を経験し、窓ガラスを割って救出しなければならなかったという体験を共有している。このような実質的な被害事例が蓄積される中、日産に対する不信感は日に日に増している。


繰り返されるリコール要求に
無視で隠蔽してきた疑惑
日産は2015年、すでに米国でドアロック装置の欠陥により一部モデルのリコールを実施している。当時のリコール対象は2015年型セントラ、ヴァーサノート、ローグなど6,595台に限定されていたが、同じ欠陥がその後のモデルにまで拡大していることが明らかになり、対応の誠実性に疑問が呈されている。今回の訴訟は過去の欠陥問題ではなく、現在進行形の安全脅威であるという点で、さらなる注目を集めている。米国道路交通安全局にも関連する欠陥の報告が継続的に寄せられている。ある所有者は、自分を追跡する不審な男性から逃げようとして車に乗ろうとしたが、ロック装置の故障で逃げられなかったと主張している。
別の事例では車両の4つのドアがすべて作動不能となり、外部からガラスを割って救助を試みなければならなかったという深刻な事故も報告されている。これらの事例は明らかに生命の安全を脅かすものとして評価されている。さらに問題なのは、日産がこれらの問題を認識していながら、消費者に明確に通知しなかった点だ。原告側は、日産が欠陥の存在、範囲、深刻性を隠蔽し車両を販売したことで不当な利益を得たと主張し、カリフォルニア州消費者救済法と不公正競争防止法違反の容疑まで提起している。今回の訴訟は日産が今後グローバル市場で信頼を回復できるかどうかを測る重要な試金石となるだろう。