パトカーに採用されたテスラ「モデル3」

現場から相次ぐ課題指摘

警察・市民からの不満の声

引用:NBC 7 San Diego

米カリフォルニア州の警察で導入されているテスラ「モデル3」について、パトカーとしての適性を疑問視する声が上がり、注目を集めている。米国の警察車両にも環境配慮が求められる中、従来のパトカーとして使用されていたダッジ・チャージャーの生産終了を受け、多くの警察署がテスラのモデル3を次世代パトカーとして採用した。

しかし、現場の警察官からは、充電設備の不足による使い勝手の悪さや車内スペースの狭さ、高額な改造費用などを理由に、モデル3がパトカーとして機能不足との指摘が相次いでいる。特に車内の狭さが最大の問題として浮き彫りになった。

引用:unpluggedperformance
引用:Reddit

容疑者の身柄確保に支障

各方面で明らかになった限界

これまで使用してきたダッジ・チャージャーは後部座席に容疑者2人を乗せることが可能だったが、モデル3の後部座席では容疑者1人しか収容できない。複数の容疑者が絡む事案では、従来よりも多くのパトカーと警察官が必要となり、人員不足を招く結果となっている。

また車高の低さも問題視されている。緊急時には縁石を乗り越えたり、未舗装路を走行したりする必要があるが、モデル3は車高が低いため、障害物を乗り越えられず走行不能に陥るケースが発生。現場の警察官から不満の声が上がっている。迅速な事案対応が困難になることへの市民の不安も高まっている。

引用:unpluggedperformance
引用:AP news

邪魔になる最新機能?

代替車両の模索へ

さらに、フル装備での乗車時にベルトと防弾チョッキが助手席に引っかかり使いにくい点や、自動運転機能やスマートロックなどの「先進機能」が逆に実務の妨げとなるケースが頻発し、警察官の不満を招いている。

こうした問題への不満が高まる一方で、カリフォルニア州知事の行政命令により、多くの自治体で電気自動車の導入が義務付けられている。この状況下で、カリフォルニア州警察は代替車両の検討を進め、新たな選択肢を提示した。

引用:Car and Driver
引用:advocatenews

代替車両の本命に浮上

フォードF-150ライトニング

モデル3の代替として注目を集めているのが、フォードF-150ライトニングだ。従来型F-150をベースとした電動モデルで、部品調達の容易さに加え、整備士の経験を活かした整備も可能。さらに、パトカーへの改造に対応できる業者が多数存在する点も、改造対応の限られるテスラと比べて優位性がある。

また、ダッジも近くチャージャーの電動モデルの発売を予告している。このため、内燃機関型に続き、電動モデルもパトカーとして採用される見通しだ。なお、テスラのモデル3は日本国内でも人気の高い電気自動車で、昨年4月には上位グレードの予約受付・納車が開始されている。

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