バッテリー交換費用が車両価格の3分の1超え、EVの「隠れたコスト」が露わになった

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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電気自動車(EV)の基幹部品である高電圧バッテリーの保証制度と、劣化に伴う交換費用の問題が表面化している。高電圧バッテリーは車両価格の35〜40%を占め、性能低下や故障時の交換には多額の費用を要するため、購入検討者にとって最大の懸念事項となっている。

一般的に自動車メーカーは、EVの販売時に「8年16万km」から「10年20万km」程度のバッテリー保証を提供している。しかし、多くの場合これは「期間と走行距離」の保証に留まっており、SOH(State of Health=バッテリー健全性)、すなわち初期容量に対する現在の劣化状態に関する具体的な保証基準が示されていないケースが多い。これが将来的に所有者とメーカー間での論争に発展することが懸念されている。

例えば、保証期間内であってもSOHが著しく低下した場合、その交換費用をどちらが負担すべきかという約款が不明確な場合がある。保証期間満了後については、高額な交換費用は原則として所有者が負担しなければならない。特に専用プラットフォームを持たない小規模メーカーなどの場合、保証基準が曖昧であれば、交換を巡るトラブルが顕在化する可能性が高い。

ドイツの自動車専門誌「Auto Bild」は、主要メーカーを対象に、バッテリーの完全故障時に必要となる交換費用の調査を実施した。EV大手テスラは公式な交換価格を公表していないが、インターネット上の報告などによれば、交換費用は約1万5,000〜2万ユーロ(約240万〜320万円)に達すると推定されている。

BMWは、事故等による損害で約1万4,000ユーロ(約224万円)、保証期間外の欠陥については最大1万2,000ユーロ(約192万円)程度としている。フォルクスワーゲンおよびアウディも正確な価格を公開していないが、同誌によれば、EV専用プラットフォーム「MEB」をベースとする「ID.3」や「ID.4」のバッテリーパック価格は、1万〜1万5,000ユーロ程度とみられる。

メルセデス・ベンツは、内燃機関用プラットフォームを流用した「EQA」や「EQV」の交換費用を1万5,209ユーロ(約243万円)、EV専用アーキテクチャを採用したラグジュアリーセダン「EQS」では1万9,603ユーロ(約314万円)であると明らかにしている。

実際のバッテリー交換作業には、部品代に加えて既存パックの取り外しと新規装着の工賃が加算される。現在、高度な作業に対応できる整備工場は限定されており、時間あたりのレバレート(作業工賃)が最大200ユーロ(約3万2,000円)に設定されるなど、維持費の高騰を招いている。バッテリー交換に要する総費用は、車両購入価格の3分の1を大きく上回るケースも少なくない。

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