「Sクラスと何が違う?」…“最上級セダン”マイバッハが生む別次元の所有感とは

価格差900万円超の理由  
「Sクラス」では物足りない人へ
「マイバッハ」は地位そのもの

引用:メルセデス・ベンツ

メルセデス・マイバッハは、世界の財閥やセレブ、インフルエンサーたちに愛される超高級車として知られている。海外ではラッパーのJAY-Zやボクサーのフロイド・メイウェザーが所有することでも話題となった。一見すると、メルセデス・ベンツSクラスと似た外観を持つマイバッハだが、両者には約900万円もの価格差がある。その違いは単なる装備の有無にとどまらず、クルマに込められた思想や目的にまで及ぶ。

マイバッハとSクラスの最大の違いはボディサイズにある。S580のロングホイールベース仕様が全長約5,290mmであるのに対し、マイバッハSクラスはさらに約180mm長い5,470mmを誇る。この拡張は後部座席の居住性を高めることを目的としており、サスペンションやシャシー構造も最適化されている。外観こそ似ているが、車体の構造には大きな差がある。

引用:メルセデス・ベンツ
引用:メルセデス・ベンツ

走行性能と快適性の極み
後席重視のショーファードリブン設計

走行性能においても差別化が図られており、マイバッハには「E-ACTIVE BODY CONTROL」が搭載される。これは路面状況をリアルタイムで解析し、各車輪の減衰力を自動で制御するサスペンションシステムだ。路面からの衝撃を吸収し、カーブ時のロールを抑え、極めて滑らかな乗り心地を実現する。Sクラスも高性能なエアサスペンションを標準装備しているが、マイバッハはさらに上の静粛性と快適性を提供する。

両モデルを分ける決定的なポイントは、後部座席の設計思想にある。Sクラスがドライバーの操作性と快適性を重視しているのに対し、マイバッハは徹底したショーファードリブン(運転手付き)設計となっており、後部座席の乗員が主役となる。マイバッハS580では、電動リクライニングやフットレスト、マッサージシート、シートヒーター・ベンチレーション、個別モニター、冷蔵庫といった装備が標準で用意される。センターコンソールは固定式で、独立したシート構造となっているケースも多く、ナッパレザーやウッド、金属インサートなど最高級素材がふんだんに使用されている。こうした細部にまで及ぶこだわりが、政財界の要人たちに公用車として選ばれる理由となっている。

引用:メルセデス・ベンツ
引用:メルセデス・ベンツ

専用デザインと明確な価格差
最上級セダンが示す地位と哲学

マイバッハは、Sクラスの装備を拡張しただけのモデルではない。ツートンカラーの専用ボディ、縦型グリル、マイバッハ専用ホイール、アンビエントライト、ロゴプロジェクターなど、外観と内装にわたって徹底的に差別化されている。価格も明確な差がある。S580ロングホイールベース仕様の価格は2,289万円だが、マイバッハS580は3,219万円となっている。限定モデルではさらに高額で取引されている。

マイバッハは「Sクラスの上位モデル」というよりも、まったく異なる価値観に基づいた存在である。Sクラスが「運転する喜び」と「プレミアム感」を体現しているのに対し、マイバッハは「儀典の品格」と「極上の快適性」を追求する。そのため、マイバッハは単なる高級セダンではなく、所有すること自体が「地位」と「象徴」となる存在だ。メルセデス・ベンツの最上位に位置するこのモデルは、世界中のVIPに選ばれ続けている。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2022-0212-31783658-thumb
【トヨタ×中国合弁】NEVにヘサイ製「ATXライダー」採用決定、2026年から量産開始でADAS戦略を加速
CP-2024-0164-31872733-thumb
【独プレミアム連合】メルセデスがBMW製エンジン搭載を検討、2027年にも「ベンツ×BMW」の異例コラボ誕生か
CP-2024-0164-31872411-thumb
【米国自動車満足度調査】日本勢がトップ独占!スバル1位・レクサス高級ブランド首位、EVは73点急落
CP-2024-0164-31872424-thumb
「776馬力で3.4秒加速」…アウディE5スポーツバック、中国EV市場を震撼させる超低価格モンスターSUV
CP-2022-0212-31782885-thumb
【トヨタEV戦争】南アに3車種同時投入!BYD・BMW・メルセデスと正面衝突へ
CP-2025-0200-31804945-thumb
【新提案】キャデラック、未来型EVクロスオーバー「エレヴェイティド・ヴェロシティ」世界初公開
CP-2023-0215-31774786-thumb
BYDが「遊べるサーキット」解禁!1時間1万2000円でEVからPHEVまで試乗可能
CP-2025-0133-31848369-thumb
SUV感覚の新トラック!? トヨタが北米向けコンパクトピックアップ開発、販売目標は年15万台
  • アクセスランキング

    【トヨタ×中国合弁】NEVにヘサイ製「ATXライダー」採用決定、2026年から量産開始でADAS戦略を加速
    【独プレミアム連合】メルセデスがBMW製エンジン搭載を検討、2027年にも「ベンツ×BMW」の異例コラボ誕生か
    【米国自動車満足度調査】日本勢がトップ独占!スバル1位・レクサス高級ブランド首位、EVは73点急落
    「776馬力で3.4秒加速」…アウディE5スポーツバック、中国EV市場を震撼させる超低価格モンスターSUV
    【トヨタEV戦争】南アに3車種同時投入!BYD・BMW・メルセデスと正面衝突へ
    【新提案】キャデラック、未来型EVクロスオーバー「エレヴェイティド・ヴェロシティ」世界初公開
    BYDが「遊べるサーキット」解禁!1時間1万2000円でEVからPHEVまで試乗可能
    SUV感覚の新トラック!? トヨタが北米向けコンパクトピックアップ開発、販売目標は年15万台
    EV充電の思わぬ落とし穴!「PM2.5最大200㎍/㎥」環境に優しいはずが逆効果!?
    VW新型「T-ロック」公開へ…9月ミュンヘンで登場、内燃・HV・EVまで揃う次世代クロスオーバー

    最新ニュース

    CP-2022-0212-31783658-thumb
    【トヨタ×中国合弁】NEVにヘサイ製「ATXライダー」採用決定、2026年から量産開始でADAS戦略を加速
    CP-2024-0164-31872733-thumb
    【独プレミアム連合】メルセデスがBMW製エンジン搭載を検討、2027年にも「ベンツ×BMW」の異例コラボ誕生か
    CP-2024-0164-31872411-thumb
    【米国自動車満足度調査】日本勢がトップ独占!スバル1位・レクサス高級ブランド首位、EVは73点急落
    CP-2024-0164-31872424-thumb
    「776馬力で3.4秒加速」…アウディE5スポーツバック、中国EV市場を震撼させる超低価格モンスターSUV
    CP-2022-0212-31782885-thumb
    【トヨタEV戦争】南アに3車種同時投入!BYD・BMW・メルセデスと正面衝突へ
    CP-2025-0200-31804945-thumb
    【新提案】キャデラック、未来型EVクロスオーバー「エレヴェイティド・ヴェロシティ」世界初公開

    主要ニュース

    CP-2025-0133-31848414-thumb
    EV充電の思わぬ落とし穴!「PM2.5最大200㎍/㎥」環境に優しいはずが逆効果!?
    CP-2025-0133-31848420-thumb
    VW新型「T-ロック」公開へ…9月ミュンヘンで登場、内燃・HV・EVまで揃う次世代クロスオーバー
    CP-2025-0133-31812658-thumb
    時速160kmの怪物マシン『Turbo』登場…世界最速を狙う電動キックボード、価格は440万円超
    CP-2025-0133-31812634-thumb
    個人用空飛ぶマシン『ヘリックス』登場!カナダ発eVTOLが量産フェーズ突入、2800万円から予約開始
    CP-2023-0215-31773083-thumb
    【限定29台】ランボルギーニ新型「フェノメノ」公開!V12ハイブリッドで史上最強の加速性能
    CP-2025-0133-31812687-thumb
    【次期カローラ】2027年モデル予想レンダリング公開 トヨタ最新戦略でハイブリッド専用化の可能性