「100台当たり237件の故障警告?」今買い替えるならPHEVかBEVか…業界を揺さぶる最新データが突きつけた選択

引用:シャッターストック
引用:シャッターストック

プラグインハイブリッド車(PHEV)がバッテリー電気自動車(BEV)よりも多くの問題を抱えていることが、新たな調査で明らかとなった。

電気自動車専門メディア「インサイドEV」は先月30日(現地時間)、米調査会社JDパワーの「2025年米国初期品質調査(IQS)」の結果を引用し、PHEVの信頼性がBEVを下回ったと報じた。調査では、車両の納車から90日間に発生した問題を対象に分析を行っており、多くはソフトウェアやインフォテインメントシステムに起因していることが判明した。

PHEVの問題発生率は100台当たり237件(237 PP100)で、BEVの212 PP100を上回った。特にテスラの品質改善がBEV全体の結果を押し上げたとみられ、JDパワーは「テスラが前年から62PP100改善したことが、BEV全体の信頼性向上に寄与した」と分析している。

一方で、PHEVは、内燃機関と電気モーターを併せ持つ構造上の複雑さにより、不具合が増えやすいとされる。JDパワーのフランク・ヘンリー氏は「PHEVは2種類の動力系統を併せ持っているため、故障のリスクが高まる」と指摘し、「電気自動車と内燃機関車の短所を同時に抱えている」と述べた。

さらに、PHEVの品質はモデルによってばらつきが大きいことも明らかになった。一部ブランドの信頼性は高いものの、最も問題が多かったモデルでは362PP100を記録した。BEVは157PP100から371PP100の範囲で分布しており、依然として品質に幅がある状態だ。JDパワーは「メーカーが多様なパワートレインを展開すればするほど、PHEVとBEV双方で品質問題が増える傾向にある」と指摘している。

不具合の中でも、タッチスクリーン関連の操作性や、空調、ガレージドア開閉といった非オーディオ系機能の使い勝手に対する不満が多かったという。JDパワーは「一部の物理ボタンを残すことで、顧客満足度の改善が期待できる」と助言している。

米国市場では、PHEVの車種数はBEVより少ないが、近年ではアルファロメオ、ボルボ、アウディ、起亜、フェラーリといった各ブランドが相次いで参入し、PHEV市場は拡大傾向にある。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2023-0047-32654855-thumb
「ガソリン車より安い?」新型リーフが米国市場に殴り込み…価格戦略でテスラに挑む
CP-2023-0065-32653480-thumb
【技術革新】ランボルギーニ「AI×6Dセンサー」で感性を読む次世代スーパーカー
CP-2023-0065-32654809-thumb
「重いバッテリーが主因」EV“過体重問題”…性能低下・タイヤ摩耗・維持費増に直結
CP-2024-0164-32682519-thumb
「自転車か?クルマか?」フランス発3輪EV「VIGOZ」…最高速度120km/h・サブスク専用の新モビリティ
CP-2025-0133-32682168-thumb
BMW、ノイエクラッセ戦略に新型EVセダン示唆…謎のモデルが公式サイトに登場
CP-2023-0065-32627695-thumb
「テスラ大ピンチ?」ユーロNCAP、2026年から物理ボタン義務化…“タッチ一辺倒”戦略に逆風
CP-2025-0024-32660773-thumb
【水素SUV】BMW iX5 Hydrogen、3分充填504km航続…プレミアム市場に新風
CP-2025-0108-32625086-thumb
三菱「エクリプス クロスEV」、欧州生産の新型公開…“日本車か?それとも欧州車か?”
  • アクセスランキング

    「ガソリン車より安い?」新型リーフが米国市場に殴り込み…価格戦略でテスラに挑む
    【技術革新】ランボルギーニ「AI×6Dセンサー」で感性を読む次世代スーパーカー
    「重いバッテリーが主因」EV“過体重問題”…性能低下・タイヤ摩耗・維持費増に直結
    「自転車か?クルマか?」フランス発3輪EV「VIGOZ」…最高速度120km/h・サブスク専用の新モビリティ
    BMW、ノイエクラッセ戦略に新型EVセダン示唆…謎のモデルが公式サイトに登場
    「テスラ大ピンチ?」ユーロNCAP、2026年から物理ボタン義務化…“タッチ一辺倒”戦略に逆風
    【水素SUV】BMW iX5 Hydrogen、3分充填504km航続…プレミアム市場に新風
    三菱「エクリプス クロスEV」、欧州生産の新型公開…“日本車か?それとも欧州車か?”
    【米国市場】フォード、過去最大規模リコール…今年930万台に到達
    「世界最速496km/h」BYD仰望U9エクストリーム…ブガッティ・シロン超えで量産EV最速の座へ

    最新ニュース

    CP-2023-0047-32654855-thumb
    「ガソリン車より安い?」新型リーフが米国市場に殴り込み…価格戦略でテスラに挑む
    CP-2023-0065-32653480-thumb
    【技術革新】ランボルギーニ「AI×6Dセンサー」で感性を読む次世代スーパーカー
    CP-2023-0065-32654809-thumb
    「重いバッテリーが主因」EV“過体重問題”…性能低下・タイヤ摩耗・維持費増に直結
    CP-2024-0164-32682519-thumb
    「自転車か?クルマか?」フランス発3輪EV「VIGOZ」…最高速度120km/h・サブスク専用の新モビリティ
    CP-2025-0133-32682168-thumb
    BMW、ノイエクラッセ戦略に新型EVセダン示唆…謎のモデルが公式サイトに登場
    CP-2023-0065-32627695-thumb
    「テスラ大ピンチ?」ユーロNCAP、2026年から物理ボタン義務化…“タッチ一辺倒”戦略に逆風

    主要ニュース

    CP-2023-0065-32634302-thumb
    【米国市場】フォード、過去最大規模リコール…今年930万台に到達
    1
    「世界最速496km/h」BYD仰望U9エクストリーム…ブガッティ・シロン超えで量産EV最速の座へ
    CP-2023-0397-32643661-thumb
    【リーク情報】テスラ低価格モデルY「E41」詳細判明…装備簡素化で3万5,000ドル、年内投入か
    CP-2023-0065-32634900-thumb
    「個人情報流出懸念」…中国製EV、コネクテッド機能で“車内会話まで収集か?
    CP-2024-0164-32664621-thumb
    【小型SUV新時代】メルセデス・ベンツ、Aクラス後継を2028年投入へ…高級偏重から戦略転換
    CP-2023-0065-32594664-thumb
    「新型RAV4公開」トヨタ2026年モデル、デジタル化&最新安全技術でSUVベストセラーがさらに進化