
中国で出荷を控えた新車20台が大規模な火災で全焼する事故が発生した。中国メディアの報道によると、事故は5月30日、大連市甘井子区の駐車場で起きたもので、消防当局が直ちに消火活動に当たった結果、人的被害は発生しなかった。当局は計20台の新エネルギー車が被害を受けたと発表している。現場の映像には、数十台の車両が炎に包まれ、黒煙が立ち上る様子が捉えられていた。

原因は車両側にはなかった
調査の結果、火災の原因は車両の欠陥やバッテリーではなく、外部からの発火だったことが判明した。警察によると、74歳の男性ワン容疑者は歩道や運動施設周辺に堆積したポプラの綿毛を取り除こうとライターで火を付けたとされる。当時は強風が吹いていたため火はたちまち燃え広がり、近くの駐車場に保管されていた車両にまで延焼した。ポプラの綿毛は天然の植物性油脂成分を含んでおり、引火点が低く、乾燥した気象条件では急速に延焼することが知られている。中国の消防当局も毎年この時期、綿毛の除去を目的とした火気の使用を禁じており、水洗いや回収作業を推奨している。

吉利銀河A7の可能性が浮上
当局は被害車両の車種を公式発表していないが、現場の写真や映像に映る車両は最近発売された吉利汽車の新型PHVセダン「吉利銀河A7」と酷似しているとされる。焼損した車両の一部では吉利銀河A7特有のボディ比率やランプデザインが確認できると指摘する声もある。これらの車両はいずれも顧客への納車を控えて保管中だったといい、一部は骨格のみが残るほど激しく焼損していた。

刑事罰が科される可能性も
刑事罰が科される可能性も
警察はワン容疑者に対して刑事上の強制措置を取り、詳細な経緯を調査中だ。現地の法曹界では、ワン容疑者の行為が「失火罪」に当たる可能性があるとみており、被害規模が大きいため罰金にとどまらず刑事罰が科される可能性も指摘されている。今回の事故は中国で相次ぐ電気自動車の火災事案とは異なり、車両側の問題ではなく外部要因が原因だった点が注目されている。業界では、出荷を待っていた新車が一度に全焼した今回の事故が、大規模な車両保管施設における防火管理の重要性を改めて示した事例と位置づける見方が出ている。