「トヨタが本気を出した結果」、 中国で“異常事態”…注文殺到でサーバーダウンの新型EVとは

電気自動車後発の「トヨタ」
普及モデルで異例のヒット
低価格のカラクリとは

引用:Autocar

電気自動車(EV)市場において「後発」と評されてきたトヨタ。2022年に中型SUVサイズのEV「bZ4X」を発表したが、性能面で他社に後れを取り、さらには走行中にタイヤが外れるという重大な欠陥が発覚。手痛いスタートとなった。この影響で、ハイブリッド車に注力すべきだという見方が業界内に広がっていた。

ところが近年、状況が一変している。トヨタは世界最大のEV市場である中国において、普及価格帯の新モデルを投入。短期間で予想を大きく上回る販売実績を記録し、話題を呼んでいる。過去のトヨタEVの中でも群を抜く低価格設定がヒットの要因とされるが、その背景には何があるのか。

 

引用:Wikipedia
引用:icartea

サイトがダウンするほどの注文殺到
中型SUVが200万円台前半?

今年3月に中国市場向けとして投入された「bZ3X」は、発売からわずか1ヶ月で1万台を突破。海外メディアによると、3月16日の販売開始からわずか1時間で1万件以上の注文が殺到し、公式サイトが一時ダウンしたという。現在も納車済みとは別に約1万2千件の受注が残っているとされる。国産ブランドが圧倒的に強い中国で、こうした成果を挙げたことは注目に値する。

bZ3Xの人気の理由は、何と言ってもその価格設定にある。10万9,800元(約220万円)という戦略的な価格だ。全長4,600mm、全幅1,875mm、全高1,645mmというサイズ感の中型SUVとしては、極めて競争力のある価格だ。中国市場に特化した商品企画が功を奏し、3種のバッテリー容量(50.03kWh/58.37kWh/67.92kWh)から選択可能。CLTC基準で最長610kmの航続距離を実現している。

引用:Autocar India
引用:トヨタ

中国人の感性に寄り添った内装
先進の運転支援機能も

bZ3Xのインテリアは、エンブレムを隠せば中国製EVと見まがうほどローカライズされている。14.6インチの大型ディスプレイを中心に、2段式のセンターコンソールにはスマートフォン用ワイヤレス充電パッドやカップホルダーがスマートに配置。11スピーカーによる高級オーディオは、全グレードで標準装備されている。

運転支援技術も最新水準に達している。NVIDIAの「DRIVE AGX Orin X」チップは最大254TOPSの処理能力を持ち、11台のカメラ、12個の超音波センサー、1基のLiDARと連携。中・上位グレードである「520プロスマート」や「610マックス」では、レベル2+相当の高度な運転支援が可能となっている。

引用:AI Car Global
引用:Autocar

中国生産・現地調達でコスト削減
現地化戦略が奏功

前席と後席を連結できる電動シートや、パノラミックルーフなどファミリー向けの装備も充実。中国専用車であるbZ3Xは、GACトヨタの合弁工場でのみ生産されており、部品の65%以上を中国国内で調達している。これが低価格を実現する大きな要因であり、中国の消費者からの評価にもつながっている。

ハイブリッド車に甘んじることなく、EV市場でも独自の存在感を確立しようとするトヨタ。ローカル市場への深い理解と対応が、今回の成功を支えている。今後、普及価格帯EV市場で中国メーカーに対抗し、どこまで影響力を拡大できるか、その行方に注目が集まる。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2024-0181-33416714-thumb
「足回りの異音、その正体は何か」放置すると危険な“劣化サイン”
CP-2022-0184-34429447-thumb
「マツダ、中国合弁EVを欧州へ」CX-6eで始まった新しい流れ
CP-2022-0212-34421658-thumb
「10台中7台がエンジン車」2035年北米市場でEVは 3割にとどまる
CP-2023-0078-34483605-thumb
「儀典専用から日常へ?」韓国トヨタがアルファードにプレミアム投入、2列目仕様で勝負
CP-2024-0164-34508201-thumb
その一瞬で寿命が縮む?駐車時の操作順が壊す内部構造
CP-2025-0051-34412612-thumb
「中国に縛られるな!」ホンダ、ロームと手を組み供給網を再編
CP-2023-0094-34441801-thumb
「終わった車ではない」ホンダが示したNSX再生戦略、ヘリテージパーツは次の段階へ
CP-2022-0212-34486783-thumb
「EV一本化は早すぎた?」フェラーリとポルシェが示した電動化修正の現実
  • アクセスランキング

    「足回りの異音、その正体は何か」放置すると危険な“劣化サイン”
    「マツダ、中国合弁EVを欧州へ」CX-6eで始まった新しい流れ
    「10台中7台がエンジン車」2035年北米市場でEVは 3割にとどまる
    「儀典専用から日常へ?」韓国トヨタがアルファードにプレミアム投入、2列目仕様で勝負
    その一瞬で寿命が縮む?駐車時の操作順が壊す内部構造
    「中国に縛られるな!」ホンダ、ロームと手を組み供給網を再編
    「終わった車ではない」ホンダが示したNSX再生戦略、ヘリテージパーツは次の段階へ
    「EV一本化は早すぎた?」フェラーリとポルシェが示した電動化修正の現実
    大雪でFR車が動かない、アクセル踏み増しが逆効果になる瞬間
    低速でも滑る、始動もしない…冬のトラブルは一つじゃない

    最新ニュース

    CP-2024-0181-33416714-thumb
    「足回りの異音、その正体は何か」放置すると危険な“劣化サイン”
    CP-2022-0184-34429447-thumb
    「マツダ、中国合弁EVを欧州へ」CX-6eで始まった新しい流れ
    CP-2022-0212-34421658-thumb
    「10台中7台がエンジン車」2035年北米市場でEVは 3割にとどまる
    CP-2023-0078-34483605-thumb
    「儀典専用から日常へ?」韓国トヨタがアルファードにプレミアム投入、2列目仕様で勝負
    CP-2024-0164-34508201-thumb
    その一瞬で寿命が縮む?駐車時の操作順が壊す内部構造
    CP-2025-0051-34412612-thumb
    「中国に縛られるな!」ホンダ、ロームと手を組み供給網を再編

    主要ニュース

    CP-2022-0028-34386765-thumb
    大雪でFR車が動かない、アクセル踏み増しが逆効果になる瞬間
    CP-2022-0081-34392140-thumb
    低速でも滑る、始動もしない…冬のトラブルは一つじゃない
    CP-2023-0094-34405813-thumb
    「まだ終わらせない」WRX STI Sport#公開、スバルのICE執念
    CP-2023-0094-34483981-thumb
    「待ってたのはこれだ」Z NISMOに6MT登場、東京オートサロン2026で公開の狙い
    CP-2022-0212-34464174-thumb
    「テスラと戦うための現実解」ベンツ、レベル2++へ全面転換
    CP-2025-0055-34364117-thumb
    「その音、無視すると危険」走行中の異音が示す“車の限界サイン”