
【引用:depositphotos】突然の大雪直後に警戒すべきは雪そのものより、溶けた雪が夜間や早朝の冷え込みで再凍結して生まれるブラックアイスバーンです。下り坂、交差点、地下道の進入部、日陰の高架橋などは日照不足や通行量の少なさで凍結が残りやすく、見た目で判断しにくい区間ほど危険度が跳ね上がります。最初の一手は速度を落として路面状況を読むこと、ここで無理をしない判断が事故率を大きく左右します。

【引用:depositphotos】出発前の点検はタイヤ優先で、摩耗が進むほど雪道の制動力は急激に落ちます。一般にトレッド深さが3mm以下は雪道で不利になりやすく、降雪地や冬季走行が多いならスタッドレスまたはオールシーズンの装着が現実的です。チェーンは携行が基本ですが、簡易タイプも含め事前に装着手順を把握しておくのが肝心です。フロントガラスの霜はワイパー任せにせず、ヒーターと熱線で十分に溶かして視界を確保してから発進、視界不良のまま動かすのは冬季事故の典型的な入口です。

【引用:depositphotos】雪道の発進は急がず柔らかくが鉄則で、タイヤが空転するとその場で向きが変わったり横に逃げたりします。MTは2速発進、ATもマニュアルモードやW/Snowなどの冬モードで高めのギアから転がすと滑りを抑えやすく、アクセルはつま先でじわっと、滑りを感じたら一度戻して再入力が基本動作です。ブレーキを踏んでも滑り続ける場面では踏み続けず、ギアを落としてエンジンブレーキを併用し減速を作るのが有効で、ABS作動中は路面次第で制動距離が伸びることもあるためブレーキ一本に依存しない運転が安全側に振れます。加えてクルーズコントロールは凍結路ではオフ、一定速を維持しようとする制御が滑りやすい路面で扱いにくさを招きます。

【引用:depositphotos】カーブは減速が先で、進入前に十分落としてから曲がり、旋回中の急ブレーキや急ハンドルを避けて荷重変化を穏やかに保つのが定石です。後輪駆動や重量級車は旋回中にリヤが先に流れてスピンに繋がりやすいので、操作量は小さく丁寧にが効きます。渋滞時は車間を通常の2〜3倍以上に広げ、前走車が滑った瞬間に巻き込まれない余白を確保、雪の積もった駐車場や傾斜路は下が凍っているケースが多いので無理に突っ込まず整備された場所や平坦部を選ぶのが安全策です。結局のところ最強の防御は減速と予測で、ゆっくり走ることが結果的に最も早く安全に目的地へ着く近道になります。