テスラ車、完全自動運転システム利用中に鉄道へ突入…緊迫な状況の中、運転手の判断で大惨事を防ぐ

テスラの完全自動運転車両が

鉄道線路に進入

衝撃の現場を検証

引用:ロイター

米カリフォルニア州サンタモニカで完全自動運転(FSD)機能を作動させたテスラ車が鉄道線路に進入する事故が発生した。車両の所有者はAI企業「Rabbit」の創業者ジェシー・リュウ氏で事故当時、車両のすべての走行状況を記録していたという。

事故は、この車両が交差点でコロラドアベニューに進入する際に発生した。旋回中に急激な転回が行われ、ロサンゼルスメトロE線の線路上を走行することになった。線路は道路と並行して敷設されていたが、テスラ車はこの異常事態を修正できなかった。

引用:X(旧Twitter)@jessechenglyu
引用:X(旧Twitter)@jessechenglyu

道路に酷似した線路構造

事故を招く

前述の通り、事故が発生した線路は道路の車線と並行して敷設されていた。そのため、一見すると道路の車線のように見える構造である。また、線路内のレールが地面と同じ高さに設置されていたため、車両が容易に進入できる状態でもある。驚くべきことに、線路自体は両側にフェンスとコンクリートの縁石で囲まれており、一度進入すると脱出が困難な構造だった。

さらに、車両の後方から列車が接近しているいた。運転者が動揺したのは無理もないだろう。運転者は車両を安全に移動させようと試みたが、信号機の前にバスと歩行者が横切っており、脱出不可能な状況に陥っていた。

引用:X(旧Twitter)@jessechenglyu
引用:レディット

後方から接近する列車

運転者が緊急対応

最終的に運転者は列車との衝突を避けるため、赤信号を無視して進行するしかなかった。彼は当時の状況が非常に危険で自身の命が大きな脅威にさらされていたと説明した。インタビューでは「列車がすぐ後ろにいて、前後に動けない状況だった」と当時の心境を語った。

この事態はソーシャルメディアを通じて瞬く間に拡散し、テスラFSDの安全性と信頼性に関する議論を巻き起こした。一方、テスラはFSDが完全自動運転技術ではなく、運転者の継続的な注意が必要であると再度強調している。

引用:KBS ニュース
引用:フォックスニュース

完全自動運転技術

今後の課題

今回の事故はテスラのFSD技術にまだ改善の余地があることを明確に示している。道路と鉄道線路を適切に区別できないシステムの限界が浮き彫りになったからだ。

また、運転者の注意不足も指摘されている。テスラはFSD機能使用中も運転者が常に周囲の状況に注意を払う必要があると強調しているが、今回の事故はこの警告が守らなかったことを示している。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2023-0065-33912451-thumb
「このまま中国車になるのでは?」 フォルクスワーゲン、欧州を離れ中国集中へ
CP-2022-0212-33896562-thumb
「家族もEVも諦めない」新型GLBが示したベンツの覚悟
CP-2023-0065-33902653-thumb
メルセデス・ベンツCLAが電動化へ、600km航続と5分充電が示す次の一手
CP-2022-0212-33899522-thumb
「まだ終わらせない」トヨタの切り札GR GT、V8ハイブリッドが選ばれた理由
CP-2023-0065-33898471-thumb
「25%関税の衝撃」トランプ圧力8か月、日本と欧州が15%で踏みとどまった理由
CP-2023-0065-33905179-thumb
日産が中国で“コスパ怪物”投入、中国EVの土俵に立った瞬間
CP-2023-0186-33907556-thumb
冬の朝に増える“立てワイパー”、メーカー設計とズレた使い方が痛手に
CP-2024-0164-33996128-thumb
「来年、本当のEV戦争が始まる」第3世代電気自動車に世界が注目する理由
  • アクセスランキング

    「このまま中国車になるのでは?」 フォルクスワーゲン、欧州を離れ中国集中へ
    「家族もEVも諦めない」新型GLBが示したベンツの覚悟
    メルセデス・ベンツCLAが電動化へ、600km航続と5分充電が示す次の一手
    「まだ終わらせない」トヨタの切り札GR GT、V8ハイブリッドが選ばれた理由
    「25%関税の衝撃」トランプ圧力8か月、日本と欧州が15%で踏みとどまった理由
    日産が中国で“コスパ怪物”投入、中国EVの土俵に立った瞬間
    冬の朝に増える“立てワイパー”、メーカー設計とズレた使い方が痛手に
    「来年、本当のEV戦争が始まる」第3世代電気自動車に世界が注目する理由
    「最先端だからといって最善ではない」便利の裏で広がるユーザーの不満連鎖
    「中国EVだけじゃない」英国補助金で日産が仕掛けた価格反撃、コスパ勢力図が変わる

    最新ニュース

    CP-2023-0065-33912451-thumb
    「このまま中国車になるのでは?」 フォルクスワーゲン、欧州を離れ中国集中へ
    CP-2022-0212-33896562-thumb
    「家族もEVも諦めない」新型GLBが示したベンツの覚悟
    CP-2023-0065-33902653-thumb
    メルセデス・ベンツCLAが電動化へ、600km航続と5分充電が示す次の一手
    CP-2022-0212-33899522-thumb
    「まだ終わらせない」トヨタの切り札GR GT、V8ハイブリッドが選ばれた理由
    CP-2023-0065-33898471-thumb
    「25%関税の衝撃」トランプ圧力8か月、日本と欧州が15%で踏みとどまった理由
    CP-2023-0065-33905179-thumb
    日産が中国で“コスパ怪物”投入、中国EVの土俵に立った瞬間

    主要ニュース

    CP-2024-0164-33967268-thumb
    「最先端だからといって最善ではない」便利の裏で広がるユーザーの不満連鎖
    CP-2023-0065-33894976-thumb
    「中国EVだけじゃない」英国補助金で日産が仕掛けた価格反撃、コスパ勢力図が変わる
    CP-2024-0164-33967229-thumb
    多くが知っているはずのタイヤ空気圧、側面表示が基準にならない構造的理由
    CP-2025-0248-33891493-thumb
    「Gクラスがカブリオレ化」北欧で幌と剛性を限界検証、弱点はどこか
    CP-2023-0065-33890392-thumb
    発電機や作業機の象徴だった古いエンジン、GMが“常識破壊”でEV時代に引きずり出す
    CP-2023-0065-33890088-thumb
    「冬の朝に差が出る」ガソリンとディーゼル、暖房はどちらが有利か