
BYD、5分充電「フラッシュ充電」を主力SUV「元Plus」に搭載──EV市場の常識を塗り替える
BYD(比亜迪)は、EVの利便性を劇的に変える「5分間フラッシュ充電(FLASH Charging)」技術を、高級ブランドから最量販車種へと一気に浸透させる。
高級ブランド限定だった先端技術を最量販SUVへ解禁
15日付のテックメディアの報道によれば、BYDは海外市場で「ATTO 3」の名で親しまれる主力SUV「元Plus」に、最新の「第2世代ブレードバッテリー」とフラッシュ充電機能を実装することを明らかにした。同社はこれまで、1,000馬力超を誇る「仰望・U7」や、今月欧州でデビューした高級スポーツモデル「デンツァ・Z9 GT」など、ハイエンドクラスにのみ同技術を水平展開してきた。今回の主力モデルへの適用は、BYDが技術による市場のコモディティ化を加速させる強力なメッセージと言える。
1,500kW超高出力充電が実現する「給油並み」のエネルギー補給
この技術の核心は、1,500kWという超高出力充電への対応にある。新型バッテリー搭載車は、10%から70%の充電をわずか5分で完了し、給油と遜色ない「エネルギー補給」を実現する。
マイナス30度の極寒でも維持される充電性能
特筆すべきは低温時のパフォーマンスで、マイナス30度の極寒条件下でも、通常なら大幅に低下する充電効率を維持し、12分でほぼフル充電(97%)に近い状態まで回復させる。これは、冬季のEV利用における最大の懸念事項を技術的に解決したものだ。
航続630km・240kWモーター搭載の新型「元Plus」
新型「元Plus」は、車体サイズをひと回り拡大させつつ、240kWの強力なモーターと最大630km(CLTC基準)の航続距離を備える予定だ。同モデルは2025年に世界で約22万台を販売した同社の核心的販売モデルであり、その進化は競合他社にとって大きな脅威となる。
欧州を起点にグローバル展開、「充電速度」で市場シェア奪還へ
BYDのステラ・リー上級副社長は、このフラッシュ充電技術を欧州を皮切りにグローバル展開する意向を表明した。中国国内の激しい価格競争の中で、BYDは「安さ」だけでなく「圧倒的な充電速度と信頼性」をシェア奪還に向けた最大の切り札として提示し、EV市場の新たなスタンダードを確立しようとしている。