
新型CR-Vがジャパンモビリティショー2025で日本初公開され、2026年2月に正式発売が開始された。各メーカーが競い合うミドルサイズSUVセグメントだけに、ユーザーからの注目も自然と集まる。本稿では主要ライバルを取り上げながら、燃費性能を軸に各モデルを検証する。
30年の歴史を背負って登場|ホンダ・CR-V
歴代モデルが育んできたスポーティで先進的な骨格を土台に、よりSUVらしい力強いシルエットへと磨き上げられた新型CR-V。ハニカムグリルが存在感を高め、伝統の縦型リアコンビランプも受け継がれている。
1995年の初代登場から、ホンダSUVラインナップの旗艦として走り続けてきたCR-V。デビュー30周年を迎えた2025年10月の時点で、販売国は約150か国に及び、グローバル累計販売台数は1,500万台を超えている(2025年8月時点)。
もともと初代は、セダンの快適性とワゴンの使い勝手、そして高い走破性を兼ね備えた乗用車感覚の4WD車として世に出た。以降は時代とユーザーのニーズに応じて進化を重ね、舞台を北米・欧州・中国へと広げていった。
現行の6代目は2022年に北米でデビューし、その後、中国やメキシコ、タイ、欧州でも展開された。2024年には燃料電池車「CR-V e:FCEV」がリース形式で国内市場に投入されている。
北米での発売から約3年半を経て、ハイブリッドモデルがついに国内でも正式発表された。エクステリアはスポーティさと力強さを掛け合わせ、SUVとしての存在感を前面に打ち出す。インテリアはアッパーミドルクラスにふさわしい上質な仕上がりを備えている。
パワートレインには第4世代e:HEVを搭載。2リッター直噴エンジンと高出力モーターを並行軸配置した2モーター内蔵電気式CVTの組み合わせだ。専用のハイ/ロー2段エンジン直結ギアと専用ギアレシオを設けることで、爽快かつ上質な走り味と高い環境性能を両立している。
リアルタイムAWDは電子制御の進化によって守備範囲が拡大し、オフロードや雪上はもちろん、オンロードでも恩恵を体感できるようになった。
燃費はRSのFFが19.8km/L、同4WDが18.2km/L。ブラックエディション(4WD)は18.0km/Lとなっている。
価格は512万円〜577万円で、先代を上回るSUVらしさと全方位の進化を果たした新型CR-Vは、今後の販売動向が注目される。
HVとPHEVの二刀流で挑む|トヨタ・RAV4
「BigFoot」「Lift-up」「Utility」をデザインの指針に据えたエクステリアを持つ新型RAV4。Zはハンマーヘッドデザインによる洗練された顔つき、アドベンチャーはタフで安定感ある外観が特徴だ。
新型登場から3か月余りが経過した現行RAV4は、依然として新鮮さを保っている。先代が持っていた塊感ある力強いデザインとパッケージを踏襲しながら、「多様化」「電動化」「知能化」という3つのキーワードのもとで開発された。
「多様化」を象徴するのが、Z・アドベンチャー・GRスポーツという3つの異なるスタイル設定だ。「電動化」はハイブリッドに加えPHEVを追加することで実現。「知能化」については、トヨタ初のソフトウェアづくりプラットフォーム「Arene(アリーン)」の採用によって体現されている。
エクステリアはスタイルごとに異なり、Zは先進的なSUVハンマーヘッドデザインのマスクを採用。アドベンチャーはタフで力強い雰囲気を纏い、GRスポーツはカッコ良さと機能性を兼ね備えた意匠となっている。
ハイブリッドは2.5リッター直4エンジンとモーターを組み合わせ、システム最高出力240psを発生。駆動方式は全車E-Four(電気式4WD)で、前後輪の駆動力配分を100対0から20対80の範囲で緻密に制御することで、優れた発進加速性と旋回安定性を実現している。
燃費性能はZが22.5km/L、アドベンチャーが22.9km/Lと、競合モデルを大きく上回る数値だ。
後から登場したPHEVは、新世代プラグインハイブリッドシステムと新開発の大容量電池を採用。約150kmのEV航続距離と、システム最高出力329psが生み出す力強い走りを両立させた。価格は450万円〜630万円で、こちらもZが22.2km/L、アドベンチャーが21.5km/Lと、燃費性能においても申し分ない仕上がりといえる。
世界初エンジンと最新4WDを引っ提げて|日産・エクストレイル
初代から受け継いだタフな力強さをベースに、余裕と上質さを加味したエクステリアデザイン。2025年のマイナーチェンジではフロントグリルのデザインも刷新された。
4代目となる現行モデルは2022年にデビューし、先代まではガソリン車とハイブリッドの2本立てだったが、現行ではハイブリッド一本に集約された。
外観は初代ゆずりのタフなキャラクターを守りながら上質感をプラスし、インテリアも堅牢さと高級感を兼ね備えた空間へと大きく進化している。
ハイブリッドシステムは第2世代e-POWERで、204psの高出力モーターを搭載。発電用エンジンには、日産が世界で初めて量産化を実現した可変圧縮比エンジン「VCターボ」を採用している。この組み合わせによってエンジン回転数を抑えつつモーターへ余裕ある電力を供給でき、力強い加速とゆとりある走りを両立させた。
4WDシステム「e-4ORCE」は前後2基の高出力モーターと左右ブレーキの統合制御により、優れた走破性と車体挙動の安定性、さらには意のままのコーナリングを実現している。リアモーターの最高出力も136psと非常にパワフルだ。
また、4WD専用ながら3列7人乗りが設定されている点もアドバンテージといえる。
燃費はFFが19.4km/L、4WDが18.1km/L(3列シート車は18.0km/L)と、CR-Vとの差はわずかにとどまる。なお価格帯は384万円〜596万円で、スタンダードなSグレードはプロパイロットなど一部安全装備が省かれるものの、400万円を切る車両価格は大きな魅力となっている。
国内PHEVとSUVの草分け的存在|三菱・アウトランダー
ダイナミックシールドを採用したマスクとボリューム感を強調するフェンダーが目を引くスタイリング。Dピラーのデザインには飛行機の垂直尾翼がモチーフとして採り入れられている。
PHEV搭載SUVの先駆けといえばアウトランダー。2021年登場の現行型は新世代のプラットフォームとパワートレインを引っ提げ、あらゆる面で大幅な進化を遂げた。国内仕様はPHEVのみとなっている。
存在感あふれるボディは先代からわずかにサイズアップしているが、数値以上の大きさを感じさせる。インテリアの質感も大きく向上し、先代ではガソリン車のみに設定されていた3列7人乗りも用意された。
中核となるパワートレインは従来のツインモーター4WDをベースに大きく改良されたもので、前後モーターと駆動用バッテリーの出力を40%引き上げることで、なめらかかつ力強い走りを実現している。アクセルを強く踏み込んでもエンジン始動を極力抑えながらEV走行を継続できる点も特筆すべき進化だ。
4WDシステムは車両統合制御「S-AWC」の後輪側にブレーキAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)機能を追加。全タイヤの能力をバランス良く最大限に引き出し、意のままのハンドリングと高い操縦安定性を実現している。
2024年には大幅改良を実施。大容量化されたリチウムイオンバッテリーの採用によりEV走行換算距離が約20km延び、100kmを超えた。システム最高出力も約20%向上し、加速性能も進化している。
ただし車重(2,070〜2,180kg)の影響もあってか、燃費は17.2km/L(Mは17.6km/L)と競合モデルには及ばない。
価格は529万円〜671万円。それでも、ランエボゆずりのS-AWCや7つのドライブモードなど、見どころは多い。