
【引用:トヨタ】自動車系クリエイターのケイス・グリフィス(Ceith Griffith)がSNSに投稿した最新動画が、専門家とオンラインコミュニティの間で強い非難を浴びている。動画では、降雪期にホイールハウス内部へ多目的潤滑剤WD-40を大量に吹き付けることで、雪や氷の付着を防げると主張している。しかし、この方法は安全性に重大な問題を抱えており、専門家は「絶対に真似してはならない危険行為」だと警告している。

【引用:Facebook@Ceith Griffith】グリフィスの提案はWD-40の油膜で付着物を滑り落とすという理屈だが、走行中にスプレー成分がタイヤトレッドへ移り、摩擦力が大幅に低下するおそれが非常に高い。雪道・凍結路では接地力の喪失が制動不能・操舵不能に直結し、大事故に発展しかねない。専門家は「潤滑剤をタイヤ周辺へ散布するのは、安全装置を自ら外すのと同じ」と強調している。

【引用:Depositphotos】さらに、噴霧した粒子がブレーキパッドやローターへ付着すると、摩擦力が著しく落ち、制動性能がほぼ消失する危険もある。WD-40の油分は、ブレーキの精密な摩擦動作を阻害する致命的な要因であり、速度域に関係なく事故リスクを急上昇させると指摘されている。

【引用:Facebook@WD-40】WD-40に含まれる石油系溶剤は、タイヤゴムやホイールハウス内のプラスチック部材の劣化を早める可能性もある。長期間付着するとゴム硬化やひび割れ(ドライロット)を誘発し、タイヤ破損のリスクを高める。また、油分は埃や汚れを強く吸着するため、かえってホイール周りがべたつき、不衛生な状態になりやすいとされる。

【引用:WD-40】オンラインコミュニティやRedditでは、この動画に対し「接地力は命だ」とする批判が相次いだ。ユーザーの多くは再生数稼ぎのために危険な“裏技”を紹介したと怒りを示し、「タイヤにもWD-40を吹き付けてみればいい」といった皮肉コメントも投稿された。これは提案内容そのものがどれほど危険かを逆説的に示すもので、安全軽視に対する強い不信が浮き彫りになっている。

【引用:アウディ】専門家は、グリフィスが示した方法が一時的に雪の付着を減らせたとしても、安全上のデメリットがあまりに大きく、到底推奨できないと断言する。冬季は適切なスノータイヤを装着し、必要に応じてチェーンなど検証済みの装備を使用することが必須だとし、「ネット上の未検証テクニックに頼るのではなく、必ず自動車専用の製品と専門家の知見に従うべきだ」と強く呼びかけている。