
【引用:トヨタ】かつて「合理の象徴」と呼ばれたトヨタ・カムリが、いま再び脚光を浴びている。SEMAショー2025で披露された新型「カムリGT-Sコンセプト」は、従来のカムリ像を一新。理性的なセダンから、感性とパフォーマンスを兼ね備えたスポーティセダンへと進化を遂げた。

【引用:トヨタ】カムリGT-Sはトヨタの北米デザイン拠点『CALTY Design Research』が手がけたワンオフモデルで、現行カムリXSEをベースに制作された。北米トヨタのデザイン責任者ケビン・ハンター氏は「GT-Sは高性能カムリの未来を示す存在だ」と語る。

【引用:トヨタ】これまでのカムリは静粛性や快適性を重視した「理性のセダン」だった。しかし若い世代からは刺激に欠けるという声もあった。トヨタはGT-Sを通じ、合理性と感性を両立させた新たな方向性を提示。ブランドとしての「セダン再定義」を試みた。

【引用:トヨタ】エクステリアは既存モデルと明確に異なる。フロントには鋭いスプリッターと大型サイドスカート、リアには空力性能を高めるディフューザーと大型スポイラーを装備。ボディカラーは「インフェルノフレアオレンジ」にブラックルーフを組み合わせ、視覚的なインパクトを最大化した。

【引用:トヨタ】20インチのアロイホイールに245/35R20タイヤを装着し、サスペンションは約38mmローダウン。ブレーキはフロントに365mmディスク(8ピストンキャリパー)、リアに356mmディスク(6ピストンキャリパー)を採用し、サーキット走行にも対応する制動力を確保した。

【引用:トヨタ】パワートレインは2.5リッター直列4気筒ハイブリッドエンジンを搭載。最高出力232ps、最大トルク23.7kgmを発生し、燃費性能とスポーティなドライビングフィールを両立させた。トヨタらしい実用性の中に走る楽しさを込めた仕様だ。

【引用:トヨタ】トヨタ北米部門のマーケティング副社長マイク・トリップ氏は「GT-Sコンセプトは単なるショーカーではない。実際に消費者があの車で帰宅する姿を思い描ける、現実的なスポーツセダンを提案した」とコメント。GT-Sが将来的に量産へと発展する可能性も示唆した。

【引用:トヨタ】トヨタは過去にも2019年の「カムリTRD」でスポーツセダン市場への挑戦を試みた。TRDは強化サスペンションと補強ボディを備えていたが、エンジンは標準型V6を踏襲していた。GT-Sはその流れを受け継ぎながら、デザイン性と完成度を一段引き上げた存在といえる。

【引用:トヨタ】GT-Sコンセプトの最大の意義は、ハイブリッドでも走りの楽しさを表現できることを証明した点にある。トヨタがこの方向性を量産車に反映すれば、ハイブリッドセダンの価値観そのものが変わるだろう。燃費の良さだけではなく、感性と情熱を宿した新しいハイブリッド時代の幕開けを予感させるモデルである。