
真夏の日中、屋外駐車場に止めていた車内に入った際に感じる強烈な熱気は、太陽の放射熱が透明なガラスを通過して入り込み、車内に閉じ込められることで生じる。
ダッシュボードや革製シートなどが熱を吸収して高温になると、車内の気温は最高70~80度程度まで上昇することがある。
こうした車内の高温状態を抑えるため、駐車時に窓を1~2cmほど開けておく方法が、空気力学的な原理を利用した手段として用いられている。
空気の自然対流を促し、車内にこもった熱気を外へ排出する仕組みを利用するためだ。
” />温められた空気は分子運動が活発になることで、車内の天井方向へ上昇する。
このとき、上部にできた2cmほどの隙間が、熱気を外へ逃がす通り道の役割を果たす。
熱気が抜けた空間には比較的温度の低い外気が流れ込み、車内では小さな自然対流の循環が生じる。
実験データによると、窓を閉め切った車両の車内温度が70度まで上昇した際、窓を少し開けていた車両は55~60度程度を維持し、10度以上の温度差が生じた。
” />空気循環の効率を高めるには、同じ側ではなく、対角線上にある2つの窓を少し開けておく方法が使われる。
運転席の窓と助手席側の後席窓を対角線上に開けることで、車内を通り抜ける空気の循環経路が作られる。
車両の屋根にサンルーフが装備されている場合は、サンルーフ後部を持ち上げるチルト機能を使う方法もある。
車両上部にあるサンルーフの隙間は、上昇する熱い空気を最も早く外へ排出する出口の役割を果たす。
” />自然対流による熱の遮断原理がある一方、実際の屋外の道路環境では予期せぬ副作用が生じる可能性もある。
真夏に突然のにわか雨や豪雨が降った場合、小さな隙間から雨水が車内へ入り込む危険がある。
車内に入った雨水は、ドアトリム内の電子機器の故障を引き起こしたり、シートやフロアマットを汚したりする可能性がある。
また、隙間からさまざまな虫や害虫が入り込み、走行中の安全を脅かす可能性も排除できない。
” />わずかに開いた窓の隙間は、車両の防犯面でも弱点となる。
外部から針金などの道具を使ってドアのロックを解除されたり、車内の所持品を盗まれたりする危険が高まる。
そのため、周囲の治安が不安定な場所や管理者のいない場所では、窓を開けたまま駐車する方法には注意が必要だ。
窓を2cm開ける方法は、CCTVが設置された個人用ガレージや指定駐車場など、防犯環境が確保され、降水の可能性がない晴天時に限って限定的に利用するのが適している。
外部環境が不確かな場合は、窓を完全に閉めた状態でフロントガラスに銀色のサンシェードを設置したり、ダッシュボードカバーを活用したりする方法が安全だ。
車両前方から入る直射日光を直接遮る装置を活用すれば、防犯上のリスクを伴わずに車内温度の上昇を抑えることができる。