「A/Cを切ったから大丈夫」? その2〜3分、車内は濡れたままエンジンが止まる



<figure class=
引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません” />
引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません

目的地に到着する2〜3分前には、必ずエアコンを切らなければならない。

運転を始めたばかりのころ、先輩や親から一度は聞かされる運転の心得だ。エンジンを切る前にあらかじめエアコン(A/C)を切っておけば、コンプレッサーの作動を止めてバッテリーの放電を防ぎ、エンジンの負担も減らせる——長くそう信じられてきた。

しかし、最新の制御技術を備えた今日の車では、この説明はすでに時代遅れの俗説に近い。それでも多くのドライバーがこの操作を続ける本当の理由と、正しい空調管理の方法を見ていく。

電子制御ユニット(ECU)の性能が低く、バッテリー容量も十分でなかった旧型車の時代には、エアコンを入れたままエンジンをかけると、スターターモーターとバッテリーに大きな電圧負荷がかかった。これに対し、最新の車に搭載されるECUは、エンジン始動時に状態が完全に安定するまでエアコンコンプレッサーの作動を自動的に遅らせる。機械部品やバッテリーを保護する目的でエンジンをかける前にエアコンを切る必要は、もはやない。

ただし、機械的な負荷という誤解が解けたからといって、そのままエンジンを切ってよいわけではない。この習慣を続けるべき本当の理由は、エバポレーター(蒸発器)に生じる湿気とカビを防ぐことにある。

エアコンで冷えた部品の表面には、外気との温度差で水分が結露する。濡れたままエンジンを切ると、エンジンルームの残熱と暗く閉じた空間が重なり、細菌やカビが繁殖しやすい環境ができあがる。エンジンを切る前にエアコンを切る操作は、バッテリーではなく車内の空気を守るための乾燥作業だといえる。

A/Cボタンを切るだけでは、内部の湿気を十分に取り除けない。目的地に到着する2〜3分前にA/Cボタンを押して冷却を止めたら、空調モードを必ず外気導入に切り替える。さらに風量を強めれば、乾いた外気が通路に入り込み、結露した水滴を乾かしてくれる。内気循環のままでは湿った車内の空気が循環して乾燥効果が半減するため、外気導入の設定が欠かせない。

最近は、エンジンを切ってから一定時間が経つと、自動的にバッテリーや補助電力を使ってファンを回すアフターブロー機能を備えた車種も増えている。この機能があれば、エンジンを切る前に毎回手動でエアコンを乾かす手間は大幅に減る。ただし、アフターブローを備えない旧型車やエントリーグレードでは、ドライバーがこまめに手動で乾燥させることが、カビ臭を防ぐ最も確実な対策になる。

カビがいったん根を張ると、送風だけで悪臭を取り除くのは難しい。整備工場でエバポレーターの洗浄を受けたり、エアコンフィルターを頻繁に交換したりすることになり、維持費もかさむ。走行のたびに到着直前のわずか2〜3分、送風で乾燥させる習慣をつけておけば、そうした出費は抑えられる。正しいエアコンの操作は、機械をいたわる管理にとどまらず、家計と呼吸器の健康を同時に守る車両管理の基本といえる。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

モバイルバージョンを終了