
運転免許証には金・青・緑の3色があり、これは更新年の誕生日から数えて41日前を起算日とする過去5年間の違反・事故歴によって決まる。このうち金色の「優良運転者」免許は、5年以上継続して免許を保有し、その間ずっと違反も人身事故もなかった人に交付される。青色免許は3つのケースに分かれ、5年以上保有しながら3点以下の軽微な違反が1回だけあった「一般運転者」、複数回の違反や人身事故があった「違反運転者」、そして保有期間そのものが5年に満たない「初回更新者」がこれにあたる。初めて免許を取る人には緑色の「新規取得者」免許が交付される。
ここで見落としやすいのが、無事故・無違反であっても保有期間が5年に届いていなければ初回更新者となり、青免許が交付されるという点だ。つまり金免許の条件は「無事故・無違反」と「5年以上の継続保有」という2つを同時に満たす必要がある。
もう一つ注意したいのが免許の「うっかり失効」だ。災害や病気・けがによる入院といったやむを得ない事情がないまま更新手続きを怠り、免許を失効させてしまうことを指す。仮に金免許の対象者であっても、失効後すぐに再び更新手続きをした場合、金の実績は引き継がれず青免許が交付されてしまう。「更新のお知らせハガキが届かなかった」「仕事や介護で忙しかった」といった事情はやむを得ない理由として認められないため、ハガキが確実に届く住所管理や、有効期限を自分自身で定期的に確認する習慣が欠かせない。
こうした制度を踏まえたうえで、実際の金免許保有の実態はどうなっているのか。警察庁が2026年6月に発表した「運転免許統計 令和7年版」によれば、2025年時点の全国の運転免許保有者数は8151万369人で、16歳以上人口に占める割合は約75%にのぼる。同年に免許更新の講習を受けた人は1467万556人にのぼり、このうち金免許の対象となる「優良運転者」講習の受講者は977万499人。更新者の約67%が金免許の対象だったことになる。
ただ、この数字をそのまま「実際に運転する人の金免許保有率」と見るのは早計だ。更新者の中には、ほとんど運転をしないいわゆるペーパードライバーも相当数含まれているためだ。実際、2023年2月に三井住友海上火災保険が実施した「ペーパードライバーに関する実態調査」では、金免許保有者の3人に1人が自らをペーパードライバーだと認識していると回答している。つまり、車両をほとんど運転しなかった結果として無事故・無違反になったケースが少なくないということだ。日常的に運転する人だけに絞れば、金免許保有率は公表されている約67%より低くなる可能性がある。
結局のところ、金免許を取得・維持する要諦はシンプルだ。無事故・無違反を地道に続けること、それに尽きる。特に一時不停止や最高速度違反、一方通行の逆走といった通行禁止違反、信号無視は取り締まり件数が多い違反として知られており、日頃の運転でも一段の注意が求められる。