テスラ最新機能に想定外の落とし穴 リモートで呼び出した愛車が他車と衝突、米当局が緊急調査開始

自動運転技術に改善の余地

テスラのリモート呼び出し機能に不具合

走行中の車両と衝突

引用:YouTube チャンネル「POGAuto」

かつては夢物語に過ぎなかった自動運転の時代が徐々に現実味を帯びてきている。海外では一部の地域で自動運転タクシーの正式サービスが開始され、試験運行を行う国も増えてきた。また、車間距離や走行速度を自動調整する運転支援システムは現在では広く普及している。自動運転技術の発展を牽引する企業の中でも、テスラはその存在感が際立っている。

テスラは、自社のオートパイロットやFull Self Driving(FSD)などの技術を量産車に搭載し、現在も改良を重ねている。しかし、度々報じられる不具合のニュースを見る限り、技術の完成にはまだ時間がかかりそうだ。そんな中、米当局がテスラ車両を対象に大規模な調査を開始したという。

引用:Teslarati
引用:Reddit

260万台以上のテスラ車が調査対象

障害物を検知できず衝突事故が発生

7日(現地時間)、CNNやロイター通信などが報じたところによると、米国道路交通安全局(NHTSA)はテスラの車両260万台以上を対象に予備調査を開始した。この調査は、テスラの「スマートサモン(Actually Smart Summon、以下ASS)機能」に関連したもので、これまでに同機能による4件の事故が報告されている。

NHTSAによれば、2023年にヒューストンでテスラ・モデル3がスマートサモン作動中、駐車中の他の車に衝突した事例があったほか、昨年9月にはネバダ州でモデルYが突如左折し、駐車車両と接触する事故が発生している。NHTSAは、スマートサモン機能作動時に、テスラ車が柱や他の車両などの障害物を検知できていなかったことが問題であると指摘している。

引用:Arcoche
引用:Teslarati

制限条件のみ作動

即座に停止命令に反応せず

テスラは昨年9月、スマートフォンアプリを通じて車両を遠隔操作し、ユーザーの元へ呼び寄せる「スマートサモン機能」をリリースした。従来のスマートサモンは現代自動車グループのリモートスマート駐車支援機能と同様、前後移動のみに対応していたが、新たにリリースされたものは自動運転技術をベースにしている。ただし、公道での走行はサポートしておらず、限定された条件内でのみ作動する。

車両がユーザーから85メートル以上離れている場合、走行速度は最大4.8km/hに制限され、100メートルを超えると停止する。この範囲内でも7分30秒以上の走行や累積475メートルの走行を超えると機能が無効化される。しかし、これらの制限だけでは安全を十分に確保できないとの指摘もある。スマートサモン作動時、ユーザーのスマートフォンには車載カメラの映像がストリーミングされるが、危険を察知して停止を指示しても通信の遅延などが原因で即座に反応できないことがあるという。

引用:NBC ニュース
引用:Rolling Stone

FSDによる死亡事故も調査中

ネットユーザーからは「怖くて使えない」

NHTSAはスマートサモン機能の遅延時間について重点的に調査を進める方針を示している。また、85メートル以内で作動時の速度制限に関する案内が不十分である点も問題視されている。さらに、NHTSAは昨年10月に発生したテスラの運転支援システムFSD作動中の歩行者死亡事故についても調査を行っている。調査結果によっては、2023年12月に実施された200万台規模のオートパイロットリコールと同様の措置が取られる可能性もある。

ネットユーザーからは「スマホの映像だけで自動運転を任せるのは無謀すぎる」「完璧に機能しないものを市場に出すべきではない」「問題が次々と明るみに出ている」「事故が起きた場合、運転者が責任を負わされるのに怖くて使う気にはなれない」といった声が相次いでいる。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2023-0065-28983857-thumb
「かわいいのにしっかり走る」…“フィアット流のハイブリッド”が欧州で話題沸騰、日本導入を待ち望む声も
CP-2023-0065-28868949-thumb
「これはアートか、マシンか」世界に130台だけの“ユートピア・ロードスター”がV12×7MTで魅せた究極の造形美
CP-2023-0065-28867941-thumb
「レクサスGSが帰ってくるとしたら…?」V8×FR×クアッドマフラーで描かれた“理想のスポーツセダン像”に注目が集まる
CP-2023-0065-28980250-thumb
「BMWがまたやった」…“世界に70台だけ”のコンセプトモデルが美しさと狂気の境界線に到達
CP-2023-0065-28985432-thumb
「ZでもGT-Rでもない!」180SXのDNAを継ぐ“日産の幻クーペ”が今、世界の注目を集めている
CP-2023-0065-28980220-thumb
「レクサスよりデカくてランクルにケンカ売った?」…“18年ぶりに帰ってきた日産フラッグシップSUV”の正体がヤバすぎた
CP-2023-0065-28985177-thumb
「これがミアタ?」ターボ×6MT×リフトアップで“ジープ越えの悪路マシン”に化けた伝説の1台
CP-2023-0065-28817245-thumb
23年の時を経て帰ってきた…「世界一尖ったマーチ」が日産の“レース魂”ごと叩きつけてきた
  • アクセスランキング

    「かわいいのにしっかり走る」…“フィアット流のハイブリッド”が欧州で話題沸騰、日本導入を待ち望む声も
    「これはアートか、マシンか」世界に130台だけの“ユートピア・ロードスター”がV12×7MTで魅せた究極の造形美
    「レクサスGSが帰ってくるとしたら…?」V8×FR×クアッドマフラーで描かれた“理想のスポーツセダン像”に注目が集まる
    「BMWがまたやった」…“世界に70台だけ”のコンセプトモデルが美しさと狂気の境界線に到達
    「ZでもGT-Rでもない!」180SXのDNAを継ぐ“日産の幻クーペ”が今、世界の注目を集めている
    「レクサスよりデカくてランクルにケンカ売った?」…“18年ぶりに帰ってきた日産フラッグシップSUV”の正体がヤバすぎた
    「これがミアタ?」ターボ×6MT×リフトアップで“ジープ越えの悪路マシン”に化けた伝説の1台
    23年の時を経て帰ってきた…「世界一尖ったマーチ」が日産の“レース魂”ごと叩きつけてきた
    「これAMGじゃないってマジ?」“あの伝説の名車”を限界までブッ壊して再構築した狂気のハイパーカーが誕生
    「これが未来の車…だったのか?」今見ても衝撃しかない“迷走の極み”4選…その異形が語るブランドの黒歴史

    最新ニュース

    CP-2023-0065-28983857-thumb
    「かわいいのにしっかり走る」…“フィアット流のハイブリッド”が欧州で話題沸騰、日本導入を待ち望む声も
    CP-2023-0065-28868949-thumb
    「これはアートか、マシンか」世界に130台だけの“ユートピア・ロードスター”がV12×7MTで魅せた究極の造形美
    CP-2023-0065-28867941-thumb
    「レクサスGSが帰ってくるとしたら…?」V8×FR×クアッドマフラーで描かれた“理想のスポーツセダン像”に注目が集まる
    CP-2023-0065-28980250-thumb
    「BMWがまたやった」…“世界に70台だけ”のコンセプトモデルが美しさと狂気の境界線に到達
    CP-2023-0065-28985432-thumb
    「ZでもGT-Rでもない!」180SXのDNAを継ぐ“日産の幻クーペ”が今、世界の注目を集めている
    CP-2023-0065-28980220-thumb
    「レクサスよりデカくてランクルにケンカ売った?」…“18年ぶりに帰ってきた日産フラッグシップSUV”の正体がヤバすぎた

    主要ニュース

    CP-2023-0065-28987010-thumb
    「これAMGじゃないってマジ?」“あの伝説の名車”を限界までブッ壊して再構築した狂気のハイパーカーが誕生
    CP-2023-0065-29026236-thumb
    「これが未来の車…だったのか?」今見ても衝撃しかない“迷走の極み”4選…その異形が語るブランドの黒歴史
    CP-2023-0065-28982458-thumb
    トヨタがついに「矢印を地面に投影するウインカー」を市販化!初採用はカローラクロス
    CP-2023-0065-29027323-thumb
    「ラグジュアリーの暴走」M4ベースなのにM4じゃない…ザガートと創業家が組んだ禁断の新車
    CP-2023-0065-29020433-thumb
    「ただのフィットと思ったら大間違い!」…ホンダが詰め込んだ“高級装備の限界”が常識を覆すレベルだった
    CP-2023-0065-28983858-thumb
    トヨタ「クラウン」70周年で限定モデル発売…水素仕様は910万円!専用店舗でのみ販売