なぜこの価格で作れる?BYDが440万円でここまで…日本が遅れを取る中国EVの実力が分解調査で明らかに

急成長する中国EVメーカー

BYD車の分解調査で見えてきたもの

明かされた以外な実態

引用:YouTubeチャンネル「MeroAuto」

中国政府の全面的支援を受け、躍進を続ける中国の電気自動車(EV)業界。近年、世界市場で目覚ましい成長を遂げ、各国に衝撃を与えている。昨年第1四半期には史上初めて世界1位の自動車輸出国となり、自動車産業の本場であるヨーロッパをはじめ、日本や韓国など東アジア市場でも存在感を増している。

国内市場ではまだ大きなシェアを持たないものの、その製品力には驚きの声が相次いでいる。昨年10月7日、経済貿易局はEV技術の交流を目的としたセミナーを開催。BYDやニオなど中国EVメーカーの分解部品も展示され、一部からは「日本のEVは中国に追いつくのが遅すぎる」との評価も出た。

引用:YouTubeチャンネル「SHORTS CAR」
引用:YouTubeチャンネル「CarHaru」

専門家たちが驚愕

「この価格で製造可能とは…」

セミナーではテスラのモデルY、BYDの普及型SUV「ATTO3」、ニオET5など輸入EV16モデルの部品9万点以上が展示された。参加した専門家たちは、分解されたBYD ATTO3の部品を前に「なぜこの価格で生産できるのか」と驚きを隠せない様子だった。

ATTO3は2022年2月に中国で発売され、昨年1月には日本市場にも投入されたモデル。価格は440万円で、同クラスのEVとしては極めて競争力のある価格設定となっている。その後BYDは、コンパクトEV「ドルフィン」と高級セダン「シール」を投入し、日本での商品展開を加速。ドルフィンは363万円から、シールは528万円からの価格帯で販売されている。

引用:Bloomberg
引用:Bloomberg

BYDの強みは「垂直統合」

バッテリー分野でも上位に

業界専門家らは、BYDをはじめとする中国EVメーカーが、いかにして低コストで競争力のある車両を生産できているのか、その秘密を分析している。その核となるのが設計の最適化と垂直統合型の生産体制だ。ATTO3の電動パワーユニット「E-アクスル」では、車載充電器とDC変換器、モーターとインバーター、減速機など8つの構成部品が一体化されている。これにより、軽量化だけでなく製造コストの大幅な削減を実現した。

さらに、BYDは車両のほとんどの部品を自社で製造可能だ。先述の電動パワーユニットはもちろん、EVの心臓部であるバッテリーも自社製造している。BYDはEVバッテリー製造分野でも世界トップクラスの企業として知られる。今年上半期時点で世界市場シェア16.4%を占め、中国CATLに次ぐ世界第2位の地位を確立している。

引用:Carscoops
引用:Wikipedia

部品の内製化を徹底

他社製品の研究も綿密に

EVのバッテリーは製造原価の約3分の1を占めるため、自社製造できること自体が大きな強みとなる。BYDは窓ガラスとタイヤを除く、ほぼすべての車両構成部品を自社で製造している。ATTO3だけでなく、シール、ドルフィンなど他のモデルとの部品共通化も積極的に進めている。

他社製品の徹底的な分析も、短期間での急成長を支えた要因とされる。昨年、日経BP総合研究所がBYDシールを分解調査したところ、同車両の多くの部分でテスラモデル3との類似性が確認された。従来の自動車では数十個のECUが搭載されるのに対し、モデル3同様、わずか5個のECUで車両の全電装システムを制御する方式を採用していることが判明した。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

CP-2024-0164-35293129-thumb
初期費用では見えない真実、BMWとレクサスの「10年後格差」を数字で示す
CP-2022-0212-35264355-thumb
「EVと互角のガソリンエンジン完成」吉利・ルノーが作った内燃機関の限界を超えた燃費40%削減技術
CP-2025-0293-35200939-thumb
ロールス・ロイスの窓に指を挟んだらどうなるか、試してみた
CP-2023-0022-35193114-thumb
アウディRS 5、世界初の電気機械式トルクベクタリングを搭載した野獣が誕生
CP-2024-0164-35196201-thumb
フェラーリ初の量産EVが北欧の極寒でテスト走行、開発最終段階に突入か
CP-2025-0051-35260380-thumb
ヒューマノイドロボット7台、バッテリー自社組立、RAV4全面刷新 トヨタが1つの工場に賭けた120億ドルの構造改革
CP-2025-0051-35235346-thumb
「日産リーフ、販売86%急減」普及型モデルの投入を無期限凍結
CP-2025-0051-35154219-thumb
トヨタ19万台・BYD225万台、10倍以上の差が突きつける「EV覇権の現実」
  • アクセスランキング

    初期費用では見えない真実、BMWとレクサスの「10年後格差」を数字で示す
    「EVと互角のガソリンエンジン完成」吉利・ルノーが作った内燃機関の限界を超えた燃費40%削減技術
    ロールス・ロイスの窓に指を挟んだらどうなるか、試してみた
    アウディRS 5、世界初の電気機械式トルクベクタリングを搭載した野獣が誕生
    フェラーリ初の量産EVが北欧の極寒でテスト走行、開発最終段階に突入か
    ヒューマノイドロボット7台、バッテリー自社組立、RAV4全面刷新 トヨタが1つの工場に賭けた120億ドルの構造改革
    「日産リーフ、販売86%急減」普及型モデルの投入を無期限凍結
    トヨタ19万台・BYD225万台、10倍以上の差が突きつける「EV覇権の現実」
    3万ドルという価格が崩す既存EVの壁、テスラが本当に狙うロボタクシー市場支配の構造
    「メルセデス・ベンツ、結局バッテリーを丸ごと交換へ」ソフトで隠せなかった中国ファラシス製電池の欠陥

    最新ニュース

    CP-2024-0164-35293129-thumb
    初期費用では見えない真実、BMWとレクサスの「10年後格差」を数字で示す
    CP-2022-0212-35264355-thumb
    「EVと互角のガソリンエンジン完成」吉利・ルノーが作った内燃機関の限界を超えた燃費40%削減技術
    CP-2025-0293-35200939-thumb
    ロールス・ロイスの窓に指を挟んだらどうなるか、試してみた
    CP-2023-0022-35193114-thumb
    アウディRS 5、世界初の電気機械式トルクベクタリングを搭載した野獣が誕生
    CP-2024-0164-35196201-thumb
    フェラーリ初の量産EVが北欧の極寒でテスト走行、開発最終段階に突入か
    CP-2025-0051-35260380-thumb
    ヒューマノイドロボット7台、バッテリー自社組立、RAV4全面刷新 トヨタが1つの工場に賭けた120億ドルの構造改革

    主要ニュース

    CP-2025-0051-35166934-thumb
    3万ドルという価格が崩す既存EVの壁、テスラが本当に狙うロボタクシー市場支配の構造
    CP-2022-0212-35176106-thumb
    「メルセデス・ベンツ、結局バッテリーを丸ごと交換へ」ソフトで隠せなかった中国ファラシス製電池の欠陥
    CP-2023-0022-35210619-thumb
    「値下げ・リコール・責任者交代」売れなかったサイバートラックが3年で歩んだ"失墜の軌跡"
    CP-2023-0397-35239682-thumb
    「トヨタの秘密兵器」レクサスIS EV、2027年始動、固体電池で電動セダン市場を塗り替えるか
    CP-2025-0299-35185833-thumb
    トヨタ新型C-HR BEV、338馬力でコンパクトSUVの常識を破壊した
    CP-2023-0022-35194219-thumb
    「テスラ、オートパイロット使用禁止!」米最大市場カリフォルニアでの販売停止を回避