「日本で再びカムリを!」国内販売終了から1年、セダン需要低迷の中でも再販を求める声続々

トヨタの代表的セダン「カムリ」

国内販売終了から1年

再販を望む声の背景とは

引用:YouTubeチャンネル「Bros FOURR Speed」

1980年の発売開始以来、トヨタの代表的セダンとして親しまれてきた「カムリ」。スポーツカー「セリカ」から派生したこのモデルは、北米市場で確固たる地位を築き上げた。1997年に北米セダン販売で初の首位を獲得して以来、2001年、2009年、2017年を除く全ての年でトップの座を守り続けている。

日本市場でも長年にわたり販売されてきたカムリだが、第11世代モデルは海外専用車種となった。国内需要の分散化による販売不振が主な要因だ。しかし、最近タイで発売されたことを機に、国内での再販を望む声がネット上で広がっている。

引用:Wikipedia
引用:Financial Times

年間販売6000台割れで撤退

国内セダン市場の厳しい現実

昨年3月、トヨタは国内でのカムリ販売終了を決定。1980年の発売以来、国内累計販売台数は130万台を超えたが、近年は苦戦が続いていた。日本自動車販売協会連合会の統計によると、2021年の販売台数は8,933台にとどまった。同期間の主力コンパクトカー、ヤリスの約19万1千台と比べ、大きな開きがあった。

2022年には販売台数が6000台を下回る結果となった。SUVや多目的車への需要シフトでセダン全体が低迷する中、半導体不足の長期化も追い打ちをかけた。日産は2021年に高級セダン「フーガ」の生産を、ホンダも同年に「レジェンド」の国内仕様車の生産を終了している。

引用:YouTubeチャンネル「Coralis Rodriguez」
引用:Car2Day

タイでの発売で再び注目

刷新された新型の特徴

ところが最近、X(旧Twitter)などSNS上で国内での再販を求める声が目立ち始めた。日本と同じ右ハンドル仕様車が導入されたタイでの発売が、この動きのきっかけとなった。新型カムリは、ハンマーヘッドをイメージした最新のフロントデザイン、プリウスに先駆けて採用された「C」型デイライトなど、洗練された外観が特徴だ。

インテリアは水平基調のダッシュボードを中心に、すっきりとまとめられている。グレードにより7〜12.3インチのデジタルメーターを搭載し、中央ディスプレイも8〜12.3インチと十分な大きさを確保。シートは座面形状と密度を改良し、座面長を拡大。ヘッドレストも前モデルより柔らかな設計となっている。

引用:トヨタ
引用:Reddit

商品性は大幅向上も

国内復活は厳しい見通し

動力系は従来同様、2.5L直4自然吸気エンジンをベースとしたハイブリッドシステムを採用。電気モーターは小型化しながら出力を向上させ、走りと燃費を両立。FF車では225馬力、4WD車では後輪用モーターの追加により232馬力を発揮する。

衝突回避支援ブレーキ、車線維持支援、レーダークルーズコントロールなどの安全装備を全車標準装備。上級グレードには全周囲カメラや自動駐車システムなども用意される。ただし、国内自動車市場では「セダン離れ」が進行しており、仮に再販されても往年の販売水準への回復は難しいとの見方が強い。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

こんなコンテンツもおすすめです

Depositphotos_665949402_S
走り方ひとつで燃費30%差、EVモードの“本当の使い方”
CP-2023-0065-33426688-thumb
マツダ、技術は完成しても“復活のゴーサイン”出ず…ICONIC SPを止めた現実
CP-2023-0065-33386577-thumb
「消えないピストンの鼓動」トヨタ、新V8で電動時代に反撃
CP-2023-0065-33465639-thumb
「数円節約の代償はAT崩壊」N変速の落とし穴、故障データが示す深刻さ
CP-2023-0094-33419211-thumb
「楽しい道は任せて」AIが導く小型SUV、マツダが勝負に出た
CP-2023-0065-33467947-thumb
バービーのマーゴット・ロビー、SUV・EV・旧車が揃う5台のラインナップ
Depositphotos_465558100_S
高速道路で「バン!」タイヤが裂けた瞬間、3秒の判断が運命を変えた
CP-2023-0065-33485494-thumb
PPFフィルムは本当に守れるのか、専門家が語る実力とは
  • アクセスランキング

    走り方ひとつで燃費30%差、EVモードの“本当の使い方”
    マツダ、技術は完成しても“復活のゴーサイン”出ず…ICONIC SPを止めた現実
    「消えないピストンの鼓動」トヨタ、新V8で電動時代に反撃
    「数円節約の代償はAT崩壊」N変速の落とし穴、故障データが示す深刻さ
    「楽しい道は任せて」AIが導く小型SUV、マツダが勝負に出た
    バービーのマーゴット・ロビー、SUV・EV・旧車が揃う5台のラインナップ
    高速道路で「バン!」タイヤが裂けた瞬間、3秒の判断が運命を変えた
    PPFフィルムは本当に守れるのか、専門家が語る実力とは
    欧州攻略の号砲!三菱EVが日本勢の巻き返しを告げる
    トヨタGR工場の「0.1mm執念」400人だけが触れる道場、量産の常識が崩れる

    最新ニュース

    Depositphotos_665949402_S
    走り方ひとつで燃費30%差、EVモードの“本当の使い方”
    CP-2023-0065-33426688-thumb
    マツダ、技術は完成しても“復活のゴーサイン”出ず…ICONIC SPを止めた現実
    CP-2023-0065-33386577-thumb
    「消えないピストンの鼓動」トヨタ、新V8で電動時代に反撃
    CP-2023-0065-33465639-thumb
    「数円節約の代償はAT崩壊」N変速の落とし穴、故障データが示す深刻さ
    CP-2023-0094-33419211-thumb
    「楽しい道は任せて」AIが導く小型SUV、マツダが勝負に出た
    CP-2023-0065-33467947-thumb
    バービーのマーゴット・ロビー、SUV・EV・旧車が揃う5台のラインナップ

    主要ニュース

    CP-2023-0397-33440104-thumb
    欧州攻略の号砲!三菱EVが日本勢の巻き返しを告げる
    CP-2023-0078-33341516-thumb
    トヨタGR工場の「0.1mm執念」400人だけが触れる道場、量産の常識が崩れる
    CP-2024-0164-33504208-thumb
    クルマ好きの定番WD-40、応急時は頼れるが常用すると“逆効果”の恐れ
    CP-2023-0065-33360503-thumb
    アメリカで“最も走らない車”、それでも運転評価が高いマツダ・ロードスターの理由
    CP-2023-0065-33410935-thumb
    運転席に潜む“目に見えない毒”、家族を守るための完全マニュアル
    CP-2023-0397-33336911-thumb
    自動運転事故めぐり責任分争…米裁判が示した“新たな基準”