
PHEVやGR-SPORTの追加で勢いに乗る新型RAV4。PHEVには補助金という魅力もあるが、400万円台で手が届くハイブリッドモデルを本命に据えるユーザーが多いはずだ。そのハイブリッドには「Z」と「アドベンチャー」の2グレードが用意されている。両者の違いを徹底的に掘り下げてみよう。
全幅25mm、全長20mm——アドベンチャーのほうが一回り大きい
RAV4 アドベンチャー。全長が20mm長く、全幅が25mm広い
ボディサイズを比べると、全長はZの4600mmに対してアドベンチャーは4620mm。この20mmの差はバンパー形状によるものだ。全高は両グレードとも1680mmで違いはない。
より注目すべきは全幅だ。Zの1855mmに対し、アドベンチャーは1880mmと25mmも広い。この堂々とした幅広感こそ、アドベンチャーが放つ存在感の源であり、具体的には大型樹脂製ホイールアーチがその差を生み出している。
エクステリアで見落とせないのがヘッドライトの仕様の違い。両グレードともBi-Beam LEDを採用しながら、Zは対向車や歩行者を検知して配光を制御するアダプティブハイビームシステム(AHS)を標準装備するのに対し、アドベンチャーはシンプルなオートマチックハイビーム(AHB)にとどまる。
パノラマムーンルーフについてはどちらも14万3,000円のオプション扱いで、条件は同じだ。
足回りのセッティングは共通——差はトレッドとタイヤ銘柄
RAV4 Z。サスペンションのセットはアドベンチャーと共通だが、トレッドが異なる
メカニズム面に目を向けると、ハイブリッドユニットが共通なのはもちろん、バネとダンパーのセッティング、さらにタイヤサイズ(235/60R18)まで同一というのは意外な事実だ。
ただ、細部の数値には差がある。全幅の違いはそのままトレッド幅の違いに反映されており、Zのフロント/リヤが1600mm/1615mmであるのに対し、アドベンチャーはフロント/リヤともに20mm広い1620mm/1635mmとなる。乗り心地や操縦感覚に違いが生まれるとすれば、このトレッド差とタイヤ銘柄が主な要因となるだろう。
燃費はWLTCモードでZが22.5km/L、アドベンチャーが22.9km/L。市街地・郊外・高速道路のいずれのモードでもアドベンチャーが上回る結果となっている。車両重量はZの1720kgに対してアドベンチャーが1710kgとわずかに軽いが、実用上の燃費差はほとんどないと考えてよいだろう。
運転支援機能にも違いがある。Zには駐車支援システム「アドバンストパーク(リモート機能付き)」が標準装備されているが、アドベンチャーには設定されていない。一方、ドライバーモニターはアドベンチャーに単独で標準装備される。Zでは他の運転支援機能とのセットオプションとなる点に注意が必要だ。
シフトレバー、シートの快適機能——インテリアでも差が目立つ
RAV4 Zのシフトレバー。一方向操作はトヨタ車初の採用だ
室内に目を移すと、まず目に飛び込んでくるのがシフトレバーの違いだ。Zはトヨタとして初めて採用した一方向操作式エレクトロシフトマチックを搭載。対してアドベンチャーは、あえてグリップ型の本革巻きシフトノブ&シフトレバーブーツ(合成皮革)にシーケンシャルシフトマチック(Sモード)を組み合わせるという選択をしている。
シートの機能面でも両グレードに差がある。合成皮革の表皮と快適温熱シートはどちらも共通するが、Zは運転席・助手席に加えて後席にも快適温熱機能が備わる。アドベンチャーは前席のみの対応だ。温度設定についてもZの3段階に対し、アドベンチャーは2段階にとどまる。
ルームミラーはZがデジタルインナーミラーを採用するのに対し、アドベンチャーは通常の自動防眩タイプとなる。エアコンは両グレードとも左右独立温度コントロールフルオートエアコン(S-FLOW:前席集中モード付)を装備するが、Zにはさらに空調オールオート制御が加わる。カラーヘッドアップディスプレイはZ専用の装備で、アドベンチャーには設定されていない。
逆にアドベンチャーが優位な点もある。内装色の選択肢がそれだ。Zがブラック一択であるのに対し、アドベンチャーはブラックとミネラルの2色から選ぶことができる。
大人気を反映して受注がひっ迫しているRAV4だが、突然受注が再開される可能性もゼロではない。その瞬間に迷わず決断できるよう、両グレードの違いをしっかり頭に入れておきたい。