
【引用:テスラ】テスラが新型「モデル3スタンダード」と「モデルYスタンダード」を正式発表した。従来モデルより約5,000ドル(約76万円)の値下げを実現したが、その裏では数多くの装備削除が行われている。イーロン・マスクが掲げてきた「普及型EV戦略」は現実のものとなったが、その方向性には賛否が分かれている。

【引用:テスラ】外観は従来型とほぼ同じだが、テスラは新車から多くの機能を省略した。欧州市場では新たなコンパクトEVの登場を期待する声もあったが、実際に発売されたのは既存モデルの廉価仕様だった。モデルYスタンダードはベルリン=ブランデンブルク工場で生産され、モデル3スタンダードは中国製となる見込みだ。両車とも激化する価格競争の中で重要な役割を担うとみられる。

【引用:テスラ】性能面では必要十分な走行性能を維持している。モデル3スタンダードは0→60mph加速5.8秒、モデルYは6.8秒を記録し、上位モデルとの差はわずかだ。航続距離は約516kmに達し、バッテリー容量を69.5kWhに抑えながらも高効率を実現した。充電速度は最大225kWで、プレミアムトリムの250kWと大きな差はない。

【引用:テスラ】一方、快適装備は大幅に削減された。ステアリングは手動調整式、スピーカーは7基のみ、FMラジオとサブウーファーは削除。後席ヒーターや通気性シートも省かれ、ホイールはスチール製となる。さらに、後席用インフォテインメントスクリーンは搭載されず、オートパイロット機能も制限されている。標準搭載されるのは「トラフィックアウェアクルーズコントロール(TACC)」のみで、オートステア機能を利用するには別途FSDの購入が必要となる。

【引用:テスラ】こうした削減が価格差を正当化できるかは議論の余地がある。月々の支払額は上位RWDモデルとの差が70ドル未満にとどまり、テスラがスタンダードモデルに大きな期待を寄せていないのは明らかだ。低価格化という挑戦の裏で失われたのは、テスラが築いてきた「プレミアムEV」としての価値そのものかもしれない。