「ランクルFJにない装備が9代目ハイラックスにある」トヨタ内の序列が静かに塗り替わった

引用:トヨタ
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9代目ハイラックスの全容が、ようやく明らかになってきた。

9代目ハイラックスは、単なるモデルチェンジではない。2025年11月10日、タイで行われた発表の場にBEVとFCEVが並んだ事実が、その証左だ。トヨタがこのセグメントをどう再定義しようとしているか——新型はその意図を、ボディ全体で体現している。

プロポーションが語るもの

全長5320mm、全幅1855mm、全高1800mm。ホイールベースは3085mmに達する。数値だけ見れば単純に大きいが、注目すべきはその比率だ。ロングホイールベースがもたらす堂々とした佇まいに、コの字型DRLとTOYOTAロゴを配したフロントグリルが鋭さを加える。RAV4やカローラクロスと共鳴するデザイン言語を持ちながら、面の構成とボリューム感は明確に一段上を狙っている。開発テーマ「タフ&アジャイル」は、エクステリアの段階でほぼ達成されていると言っていい。

インテリアの完成度、予想を超える

乗り込んで最初に気づくのは、ピックアップトラックらしからぬ室内の質感だ。ランクル250を参照したとされる水平基調のダッシュボードに、12.3インチのコンビメーターとタッチ式センターディスプレイが収まる。センターコンソールにはワイヤレスチャージャーとUSBポート、後席にも充電環境が整う。

特筆すべきはシートベンチレーションの存在だ。ランクルFJが持たないこの装備を、ハイラックスは標準で備える。トヨタのラインナップにおける位置づけを、静かに塗り替えようとしている気配がある。安全面はトヨタセーフティセンス3.0が担い、装備水準という観点では、もはや「ピックアップトラック」という括りが形骸化しつつある。

走破性の深化

オフロード性能の向上を支えるのは、進化したマルチテレインセレクトシステムだ。マルチテレインモニターが険しい路面での姿勢制御を補助し、パノラミックビューモニターが市街地や駐車シーンでの視界を確保する。新設計のリアデッキステップとサイドステップは、アクセス性の改善という実用的な側面も見逃せない。新型ランドクルーザーにインスパイアされたと説明されるスタイリングは、機能との整合性という点でも納得感がある。

市場投入のスケジュールと価格の現実

日本仕様は2.8Lディーゼルターボ(1GD-FTV型)搭載モデルから導入される。タイでの現地生産は3月16日に開始し、国内への配車は4月23日以降。フルモデルチェンジの正式な発売日は5月28日と確認されている。8代目が2024年10月に国内向け生産・販売を休止して以来、長く止まっていた流れがここで動く。

価格は未公表だが、現行型Zグレードの407万2000円を基準に、原材料費の上昇と装備の拡充を加味すれば、500万円台前半が妥当な着地点と見る。500万円を下回るシナリオがあるとすれば、それは市場へのかなり強いメッセージになる。

4月上旬には予約受付が始まる可能性がある。BEVモデルの国内導入は将来の課題として残るが、まず現実的な選択肢として2.8Lディーゼルがテーブルに乗った意義は小さくない。

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