
吉利「雷神AI Hybrid 2.0」がプリウス超え燃費を宣言──中国ハイブリッドが日本の牙城に迫る
中国・吉利汽車(Geely)が、AI技術を極限まで活用した新型ハイブリッドシステム「雷神(NordThor)AI Hybrid 2.0」を発表した。「日本のプリウスを燃費性能で凌駕する」という強気な宣言は、世界の自動車業界に大きな波紋を広げている。
プリウスを上回る実測燃費──海南島テストで45km/Lを記録
吉利が新型「帝豪(Emgrand)」で実施した海南島一周テストによれば、燃料消費率は1Lあたり45km(2.22L/100km)を記録した。これは、2024年にトヨタ「プリウス」が北米横断テストで記録した最高燃費(約39.5km/L)を凌ぐものであり、中国製ハイブリッド技術が日本の聖域に肉薄したことを示唆している。
技術的核心──量産車最高峰48.15%の熱効率とAI制御
このパラダイムシフトを支える核心は、量産車最高峰となる48.15%の熱効率を誇るエンジンと、AIによる高度なエネルギーマネジメント・ブレインだ。308PSの強力なモーターと統合制御されるこのシステムは、単なる動力の切り替えに留まらない。
衛星データとAIが実現する「秒単位」の効率予測
AIは、低軌道衛星からのセンチメートル級の位置データや地図情報を基に、前方の勾配や渋滞、さらにはドライバーの運転傾向までをリアルタイムで分析する。エンジンが最も効率的に稼働するタイミングを「秒単位」で予測し、無駄な燃料消費を徹底的に排除する仕組みだ。
グローバル展開とメタノール燃料戦略
吉利はこの技術を「銀河(Galaxy)」シリーズを筆頭に、グローバルモデルへ順次搭載していく計画だ。さらに同社は、バッテリーに代わるエネルギー源として「メタノール燃料」の商用化にも意欲を見せている。メタノールは液体として扱いやすく、再生可能エネルギーからの合成も可能であるため、電気や水素に続く「ゼロエミッションへの新たな選択肢」として、同社のマルチパスウェイ戦略の要に据えられている。
主導権は日本から中国へ──問われるのはこれからの実走行
実走行での真価が問われるのはこれからだが、吉利のこの野心的な挑戦は、ハイブリッド技術の主導権が日本から中国へとシフトしつつある現状を象徴する出来事と言える。
