
ランボルギーニの最高経営責任者が、自社の電気自動車プロジェクトを中止した決定は「正しい選択だった」と述べた。そして最近、公式デビュー以来、斬新なデザインで物議を醸しているフェラーリの純電気自動車「ルーチェ」をめぐる論争についても見解を示した。
ランボルギーニCEOのステファン・ヴィンケルマン氏はCNBCとのインタビューで、ランボルギーニが「ランザドール」プロジェクトを中止したことについてこのように語った。ランボルギーニは2026年2月にランザドールプロジェクトを中止しており、純電気スーパーカーに対する顧客需要が当面は限られるとの判断に基づくとされる。
ランボルギーニ社内では現行の電気自動車技術レベルも重要な要因として挙げられた。特にバッテリー技術と車両重量、充電インフラ、高性能車特有の走行感覚をいかに維持するかが中核的な課題とされている。

高級スポーツカーブランドが中国の新興EVメーカーとどう差別化を図るかも重要な課題となっている。近年、中国の電気自動車メーカーは比較的低価格で強力な直線加速性能と先進的な電子機器を提供している。伝統的なスーパーカーブランドにとって、単純な出力と加速性能だけでは差別化が難しくなっている状況だ。
フェラーリ初EV「ルーチェ」のデザイン論争
こうした状況の中、フェラーリ初の電気自動車ルーチェはデザインをめぐる論争まで重なり、難しい局面に立たされている。フェラーリ前会長のルカ・ディ・モンテゼーモロ氏も「少なくとも中国メーカーはルーチェのデザインを真似しないだろう」という趣旨の発言をしている。
ヴィンケルマン氏はCNBCに対し「電気自動車市場の普及ペースはやや鈍化している」とし、「この点は各ブランドが自ら判断すべき問題だ」と述べた。ランボルギーニとしては当面、内燃機関を搭載したプラグインハイブリッド方式がより現実的な選択だという考えだ。

実際、ランボルギーニのブランドアイデンティティにおいて内燃機関は依然として核心的な要素だ。2026年時点でのラインナップは、プラグインハイブリッドSUVのウルスSEを皮切りに、ウラカンの後継モデルであるテメラリオ、フラッグシップスーパーカーのレヴエルトで構成される。
ウルスSEはV8エンジンと電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデルだ。テメラリオもV8エンジンを搭載しているが、ウルスSEとは性格が異なる高回転型フラットプレーンV8エンジンを採用している。ランボルギーニは電動化の潮流を取り込みながらも、高性能内燃機関特有の感覚を維持しようとしている。
ランボルギーニの現行ラインナップと電動化戦略
レヴエルトは自然吸気V12エンジンを搭載した代表的なスーパーカーだ。電動化技術を組み合わせながらも、ドライバーと歩行者の両方に強烈な存在感を伝えるV12エンジンのサウンドは維持している。現在、自然吸気V12エンジンを搭載した量産車は非常に限られており、フェラーリの12チリンドリやプロサングエなどが代表的な例として挙げられる。

レヴエルトに搭載されたL545型エンジンはアヴェンタドールのL539エンジン系統を基にした新設計エンジンだ。同系の技術を活用した限定モデルのフェノメノでは、エンジン単体で835PS/9,250rpmを発揮するとされる。
一方、論争の中心にあるフェラーリ・ルーチェは、4基の電動モーターを搭載した純電気パワートレインにより最高出力1,050PSを発揮する。後輪中心のトルク配分は走行の楽しさを高める要素として評価されている。仮想エンジンサウンドや人工的な変速フィールを採用しなかった点を肯定的に見る向きもある。
ただし近年、単純な加速性能や最高速度の数値だけではブランド価値を示すことが難しくなってきた。すでに多くの高性能電気自動車がスーパーカー並みの直線加速性能を示しているからだ。

結局、ルーチェの評価はコーナリング性能や操舵感、制動安定性、ドライバーと車両のインターフェースで分かれる可能性が高い。SUVセグメントでフェラーリ特有のダイナミズムをいかに実現したかが評価の核心だったように、ルーチェも電気自動車という形式の中でいかにフェラーリらしい走行感覚を実現するかが問われることになる。
電動化の波とブランドアイデンティティの葛藤
ランボルギーニが純電気自動車への転換を急がない姿勢を示したのも同じ文脈だ。スーパーカーブランドにとって電動化は単なる排出ガス削減のための技術転換ではなく、ブランドアイデンティティをいかに守るかという根本的な問いであるからにほかならない。