「助手席から煙が出ている」 その通報の直後に軽乗用車は全焼! 夏の車内でモバイルバッテリーに何が起きているのか?

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
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夏はリチウムイオン電池を積んだ製品の発火事故が集中しやすい季節だ。スマートフォンや充電用バッテリー、携帯扇風機、ワイヤレスイヤホン——暮らしの隅々に入り込んだこの電池は、便利さと引き換えに高温や衝撃に弱いという弱点を抱えている。

その危うさを裏付けるデータがある。日本自動車連盟(JAF)が2023年8月に行った実車での温度検証だ。外気温が最高34度、最低25.3度だったこの日、密閉された車内のダッシュボード表面は60度に迫る57.8度、車内自体も48度まで上がった。夏場の車内は、体感以上に過酷な高温状態になっているということだ。

こうした環境リスクは、実際の火災にもつながっている。今年6月19日、兵庫県姫路市の飲食店駐車場では、軽自動車の助手席に置かれていた充電用バッテリーから煙が上がった。運転していた女性が119番通報し、駐車場に車を止めた直後に出火、車両は全焼した。このバッテリーはスマートフォンの充電中だったといい、出火の詳しい原因は警察が調べている。さかのぼって2023年8月にも、熊本県で車内に放置されていた充電用バッテリーが高温によって発火し、バッテリー自体が焼損する火災が起きていた。

こうした事故が相次ぐ背景には、年々増加する火災件数がある。総務省消防庁の集計(廃棄された電池を回収中のごみ収集車・処理施設での発火は除く)によれば、リチウムイオン電池関連の火災は2022年の601件から2023年に739件、2024年に982件と増え、2025年には1297件に達した。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が2020年から2024年までの5年分の事故をまとめた資料でも、気温が上がる6~8月に事故が集中する傾向がはっきり出ている。

こうした流れを受け、総務省消防庁は6月18日、関係省庁と連携して「リチウムイオン電池総合対策ポータルサイト」を新たに公開した。製品を買う際に確認すべき点や事故を防ぐ方法、正しい廃棄の仕方などをまとめて発信することが狙いだ。

事故を防ぐには、普段の扱い方が何より重要になる。電池は衝撃や圧力で内部が傷つくと発火につながりかねないため、落としたり踏んだりしないよう気をつけたい。夏場の車内や暖房器具のそば、布に包まれた状態など高温になりやすい場所に置かないことも欠かせない。充電中に異常があればすぐ気づけるよう、目の届く場所で行うのが安全だ。万一、製品が持てないほど熱くなる、本体が膨らんで変形する、異臭がする、液漏れが起きるといった異常が見られたら、直ちに使用をやめる必要がある。

廃棄時の注意も忘れてはならない。充電用バッテリーを「燃えるごみ」として誤って捨てたことで、収集車の中で発火・破裂した事故も実際に起きている。回収の仕組みは自治体ごとに異なり——筆者(元警察官はる)が暮らしていた自治体では施設内に専用の回収ボックスが設けられていた——、居住地の案内に従って処分することが大切だ。

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