
中国自動車市場、2月は3割超の減 補助金終了と春節が購買意欲を直撃
中国の自動車市場が、今年初めに深刻な内需の冷え込みに直面している。2年ぶりの大幅な市場縮小は、春節(旧正月)連休による営業日数の減少に加え、政府による電気自動車(EV)補助金の打ち切りや取得税減免の終了が、消費者の購買意欲を大きく減退させた結果だ。
中国汽車工業協会(CAAM)が11日(現地時間)に発表した統計によると、2月の中国国内自動車販売台数は、前年同期比34.2%減の95万台にとどまった。
補助金終了で冷え込む「新エネルギー車」需要
販売急減の主因は、長年市場を支えてきた政府支援策の終了にある。当局が新エネルギー車(NEV)に対する取得税の全額免除を段階的に廃止し、5%の課税(本来は10%)を導入したことや、買い替え補助金の引き下げが響いた。これにより、市場の成長エンジンであったEVおよびプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売は、1〜2月累計で前年同期を大幅に下回る低水準となった。
需要の減退に伴い、販売店の在庫は危険水準に達している。中国乗用車協会(CPCA)によれば、1月末時点の未販売車両は約357万台に達し、前年同期の約58万台から6倍以上に急増した。また、長引く価格競争による収益悪化を懸念した当局が、過度な値下げ自粛を求めたことも、消費者の「様子見」姿勢を強める要因となっている。
輸出は5割増も、中東情勢が足かせに
内需不振を打開するため、中国メーカー各社は海外市場への攻勢を強めている。2月の全体輸出台数は前年同期比58%増の59万台(旅客車ベースでは58.6万台)を記録した。しかし、この輸出主導の成長も不透明感が漂っている。
背景にあるのは、緊迫化する中東情勢だ。中東は中国の自動車輸出額の約20%を占める重要市場だが、武力衝突の激化により物流網が寸断され、現地需要も打撃を受けている。CAAM関係者は、物流コストの上昇や現地経済の混乱により、3月以降の輸出データが急激に悪化する可能性が高いと警告している。
グローバルサプライチェーンへの影響
中国市場の急変は、世界の自動車産業およびバッテリー産業にも波及している。内需低迷により行き場を失った中国製EVが東南アジアや欧州へ流入することで、既存メーカーとのシェア争いは一段と激化する見通しだ。
また、中国国内のEV販売不振は車載用バッテリーの需要減に直結しており、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーの価格下落を招いている。さらに、中東情勢に伴う海上運賃の上昇や原油高は、グローバルな消費低迷のリスクを高めており、各国の産業界においてリスク管理の徹底が急務となっている。