
軽自動車に強いことで知られるスズキのファミリーカーラインアップの中で、最もゆとりある室内空間を誇る3列シートミニバン「ランディ」が、2026年6月1日の一部仕様変更を経て、完成度の高いファミリーカーへと生まれ変わった。ランディは3代目まで日産「セレナ」をベースとしていたが、2022年の4代目からトヨタ「ノア」をベースとするOEMモデルへ移行し、スズキならではのコストパフォーマンスと実用性を高めてきた。今回の2026年モデルの改良では、効率性を最大限に高めたハイブリッドパワートレインへの一本化に加え、乗車定員の選択肢拡大と、より洗練されたエアロデザインを採用し、実用性を重視するファミリー層の需要を的確に狙っている。

2026年6月の改良で最も大きな変更点は、従来の2.0Lガソリン専用モデルをラインアップから完全に廃止し、1.8Lガソリンエンジンをベースとするハイブリッドパワートレインのみの構成としたことだ。従来WLTCモードで21.9km/Lだった燃費は、細かなエンジニアリング調整によって23.6km/Lへ大幅に改善された。長距離の家族旅行や毎日の市街地での送迎など、燃料費負担の大きい3列シートファミリーミニバン市場において、リッター23kmを超える優れた燃費性能は、実際の購入層にとって最も強力な購入動機になるとみられる。

室内空間と乗車定員の構成にも意味のある変更が加えられた。従来のハイブリッドモデルが7人乗り専用だったのに対し、改良モデルでは2WDグレードに限り、新たに3列8人乗り仕様を設定した。これにより、子どもの多い家庭や大人数の家族で移動する際にも、より多彩なシートレイアウトを選べるようになった。エクステリアも全車に精巧かつスポーティーに仕上げたエアロ仕様のバンパーとグリルを標準装備し、従来のOEMモデルに見られたやや地味な印象から脱し、より端正で上質感のあるスタイルを完成させた。

運転席まわりのインテリアも大幅にアップデートされた。従来より大型化した7インチのマルチインフォメーションディスプレイを搭載し、走行中の燃費状況や安全装備の作動状況など、主要な車両情報を高い視認性で表示する。また、四輪駆動ハイブリッドのE-Fourモデルには、滑りやすい段差や路面状態の悪い雪道で車輪の駆動力を精密に制御する「SNOW EXTRA」走行モードが新たに導入された。冬季に降雪地域を頻繁に走行するユーザーにとって、緻密な4WD制御はより高い安心感につながる見通しだ。

ファミリーカーの要となる安全機能では、トヨタの実績ある次世代安全システム「セーフティセンス(Safety Sense)」を標準装備する。衝突回避を支援するプリクラッシュセーフティ、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール、ブラインドスポットモニター(BSM)、パーキングサポートブレーキなどがドライバーを徹底的に支援する。さらに、日本政府の高齢者や家族向け安全基準である「サポカーSワイド」と「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)」の公的認定も取得し、家族全員が安心して乗れる3列シートミニバンとしての価値を示している。