
トヨタ自動車が中国でのみ販売する電動SUVモデル bZ3Xに、フルブラック特別仕様「ナイトエディション(Knight Edition)」を追加した。201PSの出力に一充電航続距離520km(CLTC基準)、マッサージ機能付きのシートベンチレーション・ヒーター機能まで備えながら、販売開始価格は11万4,800元(約273万円)となっている。米国市場におけるトヨタ bZ4Xの基本価格(3万7,070ドル、約560万円)の半値以下にとどまる。
全身ブラックで統一したナイトエディション
ナイトエディションは標準モデルのbZ3Xと外観上大きな差異はなく、車体全体をブラックで統一し、前面と後面のエンブレムもブラック処理した。18インチ専用ホイールにはブラックとシルバーを組み合わせたエアロカバーを装着する。

グレードは2種類で構成される。基本グレードの「520 Proナイトエディション」と、フロントガラス上部にLiDARセンサーを追加した「520 Pro LiDARナイトエディション」だ。両グレードとも、11スピーカーのヤマハ製オーディオシステム、シートベンチレーション・ヒーター・マッサージ機能付きフロントシート、航空機のビジネスクラスのように前席背面から展開するフォールディングテーブルを標準で備える。
58kWhバッテリー、201PS、CLTC基準520km
パワートレインは標準モデルと共通で、58kWhのバッテリーパックとフロントに搭載した電動モーターにより201PSを発揮し、CLTC基準の一充電航続距離は520kmだ。なお、ナイトエディションのラインナップに含まれない最上級グレード「610 Max」は68kWhバッテリーと221PSモーターを搭載し、CLTC基準で610kmの航続を実現する。

車体サイズは全長4,600mm、全幅1,850mm(※)、全高1,645mm、ホイールベース2,765mmで、全長・全幅はRAV4と同程度ながら、ホイールベースは約70mm長く、室内空間の広さに優れる。車両重量は1,835kgとなる。

価格差が示す中国市場の現実
520 Proナイトエディションの中国現地スタート価格は11万4,800元(約273万円)、LiDARセンサー搭載版は13万4,800元(約320万円)となる。トヨタ bZ4Xと比べると半値以下であるだけでなく、ガソリン車のRAV4(3万1,900ドル、約480万円)と比較しても約1万5,000ドル(約230万円)安い。中国EV市場における価格競争の熾烈さを端的に示す数字だ。

中国でしか買えないトヨタのもうひとつの顔
bZ3Xナイトエディションは全くの新型車というよりも、既存モデルにブラック外装と利便装備を加えた派生仕様だ。しかし同クラス最高水準の装備をこの価格帯で実現している点は、中国EV市場における競争の激しさを改めて示している。日本をはじめ中国以外の市場のユーザーにとっては、同じトヨタブランドでありながらこれほど仕様・価格の異なるモデルが存在するという事実が、ひとつの驚きとして映るかもしれない。