
【引用:Ferrari】スーパーカーやハイパーカーなど、高性能車のリアビューを決める要素は主に2つある。一つはデザインを完成させるテールランプで、もう一つは空力性能を担うスポイラーだ。ところがフェラーリが最近、この2つを一つに統合する技術を特許出願したことが分かった。テールランプを固定式の照明装置とせず、走行状況に応じて動くアクティブエアロ部品としても活用する構造だ。必要な場面では自ら動き、スポイラーの役割まで果たすという発想だ。フェラーリの今回の特許は、大型のウイングを装着せずに空力性能を確保しようとするアプローチという点でも注目される。照明装置が空力部品の役割を兼ねる構造は、これまで量産車では一般的な方式ではなかった。高性能モデルほど後部で生み出す荷重が安定性に直結する一方、その装置が外観を支配してしまうという問題も伴う。今回の特許は、その間で折衷点を探ろうとする試みとみられる。

【引用:Ferrari】特許の核心は、テールランプユニットが車体の外へ突出する点にある。ランプが外へ出ることで空気の流れに直接さらされ、車両後部に必要な空力荷重を生み出す仕組みだ。突出量は固定されていない。走行速度に合わせてランプの位置が変わり、確保されるダウンフォースの大きさも調整される。速度が高くなるほど、より大きな荷重が必要になることを考えれば自然な制御方式だ。一般的なアクティブスポイラーが別の部品を立てたり寝かせたりする方式なのに対し、今回の構造では、すでに車体に備わる照明装置がその役割を担う。フェラーリがこの方式を採用した背景には、突出したスポイラーを視覚的に隠そうとする意図がある。大型の部品を後部に載せれば、デザインが制約を受けざるを得ないが、その負担をテールランプ側へ移した構成と見ることができる。停車時や低速域ではランプが元の位置にとどまり、外観上、違和感を与えない点も設計の利点として挙げられる。

【引用:Ferrari】さらに興味深いのは制御方式だ。この構造は左右のテールランプをそれぞれ独立して操作できるよう設計されている。直線区間を高速で走行する際は両側を同時に動かし、車両後部全体に均等な荷重を生み出す一方、コーナーを抜ける状況では、左右を異なる位置に置くことができる。左右の空力バランスを変えられるという意味で、単にダウンフォースを増減させるだけでなく、より細かな制御へ発展する余地がある構成だ。コーナーでは左右の車輪にかかる荷重が異なるため、空力装置で補うことができれば、走行安定性の面でメリットが得られる。既存のアクティブエアロ装置の多くが、一つの部品を全体的に調整する方式だったことを考えれば、アプローチそのものが異なる。照明と空力という2つの機能を一つの部品に重ねることで、部品数を増やさずに制御の幅を広げた形だ。照明装置が走行中に繰り返し動く構造である以上、耐久性と法規対応という課題も避けられない。

【引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ】この米国特許出願は2026年8月20日に公開された。特許が公開されたからといって、直ちに量産を意味するわけではない。実際の車両に採用されるかどうかはまだ確認されておらず、特許に盛り込まれた構造がそのまま道路上に登場する可能性も高いとは言い難い。コンセプトカーのような大胆な形態をすぐに投入するよりも、技術を簡略化した形で先に披露する可能性が高いとの見方が出ている。完成車メーカーが出願する特許のうち、量産につながる例が一部にとどまる点も考慮する必要がある。それでも今回の特許が注目される理由は、その潮流にある。最近のスーパーカー市場では、出力競争に劣らずアクティブエアロ技術の比重が高まっている。同じ出力でも、空気の扱い方によって走行性能が分かれるためだ。デザインを損なわずに空力性能を確保しようとする試みがどこまで続くのか、フェラーリがこのアイデアをどのような形で実現するのか、注目に値する点だ。