「屋根に1000Lタンク、給油口へホース」衝撃映像の車に浮上した“あり得ない矛盾”

【引用:SNS】道路上では時折、目を疑うような車が目撃される。今回SNSで拡散された映像に登場したのは、一見すると普通の乗用車だ。しかし屋根には、工場や農場で使われる巨大なIBCタンクが載せられ、タンク下部から延びた太いホースは車両の給油口らしき場所へ直接つながっていた。まるで屋根全体を巨大な補助燃料タンクへ改造し、給油所へ立ち寄らずに走り続けようとしているかのような姿だ。ところが映像が広がるにつれ、驚きとは別の疑問も浮上した。「そもそも、この車は本当に走っているのか」という点だ。投稿された短い映像だけでは撮影場所や車種、タンク内の液体、ホースの接続状態を確認できず、オリジナル映像の撮影者や撮影日時も明確ではない。さらに車体や背景の一部が不自然に変形して見えることから、SNS上ではAIによって生成された映像ではないかとの指摘が相次いでいる。

【引用:SNS】映像に映っている容器は、形状から一般的な容量1,000L、275ガロン級のIBCタンクに見える。メーカーの仕様例では、本体だけでも約60kgあり、寸法は全長約1,200mm、全幅約1,000mm、全高約1,160mmに達する。仮に中身が水なら満載時の総重量は約1,060kg、ガソリンでも比重を考慮するとおよそ800kg前後になる計算だ。これに対し、一般的な乗用車の走行時ルーフ積載上限は車種によって異なるものの、おおむね50~100kg程度に設定されている。つまり、タンクが満たされていたとすれば、許容荷重の数倍から10倍以上を屋根へ載せている可能性がある。それほどの重量なら、ルーフパネルやピラーへの深刻な負担に加え、サスペンションが大きく沈み、タイヤの変形や車高の低下が目立つはずだ。ところが映像では車体が比較的平然と走っているように見え、この物理的な不自然さがAI生成説を強める大きな理由となった。

【引用:SNS】映像を詳しく見た利用者からは、ほかにも複数の不自然な点が指摘された。走行中にもかかわらず給油口付近に挟まれた布やホースが風を受けてもほとんど動かないほか、車輪やホイールの形が一瞬ごとに歪んで見える、背景車両の輪郭や道路設備の配置が安定しないといったものだ。液体が入った大型タンクであれば、加速や減速、路面の凹凸に合わせて中身が揺れる「スロッシング」が発生し、車体の姿勢にも変化が表れるはずだが、その影響も映像からは明確に確認できない。もっとも、圧縮された短い動画や手ぶれ補正、低い解像度によって似た現象が発生する可能性もあるため、映像だけでAI生成だと断定することはできない。ただし、少なくとも「実際の道路を走った危険な改造車」として紹介するには裏付けが不足しており、燃料不足対策や長距離走行用の改造だったと決めつけるのも適切ではない。

【引用:SNS】仮に同様の車両が実在した場合、その危険性は極めて高い。屋根上の重量によって重心が大幅に上昇すれば、カーブや急な車線変更で横転する危険が増し、急ブレーキ時には固定具へ凄まじい前方向の力がかかる。タンク内の液体が移動することで車両の挙動が遅れて乱れる可能性もあり、固定が外れれば巨大な容器そのものが道路上の凶器となる。さらに中身がガソリンなどの可燃性液体なら、ホースの脱落や液漏れ、静電気、事故による破損が火災につながる恐れもある。危険物用のIBCには材質や静電気対策、輸送方法について専用の条件があり、一般的な容器を乗用車の屋根に載せればよいわけではない。今回の映像で本当に注目すべきなのは無謀な改造方法より、物理的に不自然な映像でも、短いSNS動画というだけで現実の出来事として急速に広がる時代になったことなのかもしれない。

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