「非常時にドアが開けられない?」テスラ約300万台リコール…“未来の車”に安全問題

【引用:Depositphotos/この画像は記事の内容と一切関係ありません】テスラは中国で、Model 3、Model Y、Model S、Model Xの計297万5910台を対象とする大規模リコールを実施する。中国国家市場監督管理総局が2026年8月21日に公表したもので、9月25日から順次開始される。問題の中心は、単に車外の格納式ドアハンドルが展開しないことではない。車内の非常用機械式リリースが内装と似た色で目立たず、緊急時に見つけにくく操作しにくい点が安全上の欠陥と判断された。重大事故で車両の低電圧システムが停止すると、乗員の脱出や車外からの救助が遅れる恐れがある。電動式の操作系とは別に機械式リリースが備わっていても、初めて乗る人が瞬時に発見できなければ、非常装置として十分とはいえないという判断だ。

【引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません】テスラは対象車に非常用リリースの位置を示す警告ラベルを無料で貼付し、OTAによって車窓制御ソフトを更新する。深刻な衝突事故の後に窓を下げる制御を追加し、脱出や救助の可能性を高める狙いだ。ドアを巡る懸念は以前からあり、ブルームバーグは警察、消防、検視記録などを独自に調査し、過去10年間に米国で発生した12件の火災事故において、乗員や救助者がテスラのドアを開けられなかった状況と少なくとも15人の死亡を確認したと報じている。ただし、これは当局がドアを15人全員の直接的な死因と認定した統計ではない。ブルームバーグはModel 3の開発時に社内技術者が電動式ドアの危険性を訴えていたとも報道しており、テスラは現在、電動操作と手動解除を一体化した新機構を検討している。

【引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません】今回の措置はテスラだけに限らない。中国ではテスラ、Xiaomi、リープモーター、XPENG、ジーカーなど9社が、非常用機械式リリースの視認性や操作性を理由に合計約427万台を届け出た。テスラの約297万6,000台が最大で、Xiaomiは約39万台、リープモーターは約37万台、XPENGは約26万台、ジーカーは9万2,658台に上る。背景には、2025年10月に成都で起きたXiaomi SU7 Ultraの死亡火災事故など、電源喪失後に車外からドアを開けられなかった事例への懸念がある。中国の新しい強制規格はすでに発表されているが、全面施行は2027年1月1日から。新規格は機械式の車内・車外開放機構と明確な表示、手を掛けられる空間を要求し、完全格納式のデザインを事実上難しくする。

【引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません】米国でも規制当局の監視は続く。NHTSAは2025年9月、電子式ドアロックが作動せず、後席の子どもを救出するため窓を割ったという申告を受け、2021年型Model Y約17万4,300台を対象に予備調査を開始した。さらにModel 3の非常用手動リリースについても、位置が分かりにくく直感的に操作できないとの申し立てを検討している。米議会には2026年、電気系統が故障しても作動する手動ドア解除装置と、救助隊が車外から進入できる仕組みを新車に求める「SAFE Exit Act」も提出されたが、現時点では成立した法律ではない。中国でのリコールが直ちに米国や日本へ拡大するとは限らないものの、電動ドア装着車の所有者は、非常用リリースの位置と操作方法を取扱説明書で確認しておく必要がある。

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