
ハイブリッド推進システムの核心技術
アメリカ陸軍が、次世代M1E3エイブラムス戦車にハイブリッドディーゼル-電気推進システムを採用する。
6日(現地時間)、電気自動車メディアCleanTechnicaによると、アメリカ陸軍は燃料消費と軍需負担を削減しつつ、作戦範囲や電力供給能力の向上を目指し、新型戦車の開発を進めている。
エイブラムス戦車が直面する戦場環境の変化とアンチアイドリング対策
核心はハイブリッド推進システムと高効率変速機だ。このシステムは燃料消費を抑えて作戦範囲を拡大すると同時に、熱・音響信号を低減し、センサーや防護システム、指向性エネルギー兵器、電子戦装備などに必要な追加電力を供給することに重点を置いている。
背景には戦場環境の変化がある。戦車や戦術車両では、電力消費の大きい電子機器が増加の一途をたどっている。従来の内燃機関車両は、停車中も機器を稼働させるためにエンジンをアイドリングさせる必要があり、熱信号と騒音が増大して位置が露見するリスクも高まる。
これに対しアメリカ陸軍は、一部の車両に追加バッテリーパック形式のアンチアイドリング・キットの装着を開始した。エンジンを停止した状態でも搭載機器を運用するための措置だ。今後は車両外部の機器やマイクログリッドへの電力供給も検討されている。
戦車以外にも広がるハイブリッド化の流れ
M1E3の初期試作機は、今年1月にデトロイトで開催された北米国際自動車ショーで公開された。当時アメリカ陸軍は、将来の戦場環境に対応するため、防護力の向上と軽量化、軍需負担の軽減を同時に実現したと説明した。
ハイブリッド化は戦車にとどまらない。アメリカの軍用・特殊車両メーカー、オシュコシュ・ディフェンスは2022年に「eJLTV」を公開し、無音走行機能を強調した。この車両は既存のJLTVと同等の性能と防護力を維持しつつ、無音走行や無音監視の時間を延長し、燃費改善と外部電力供給機能を備えるよう設計された。
防衛産業企業GM Defenseのハイブリッド戦術車両「ISV-H」も同じ流れだ。平均負荷に合わせた発電機と、瞬間的な高出力に対応する高電圧バッテリーを組み合わせ、レーザー兵器などの瞬時に高い電力を要する装備を支えるよう設計されている。既存のJP-8燃料供給システムをそのまま使用でき、新たな充電インフラを必要とせず、現行の軍用燃料システムの枠内で運用できる。