「対向車線に入れって?」… ドライバーが目を疑う交差点の正体

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
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日本の都市部道路が長年抱えてきた交通渋滞と、右折時の重大事故という二つの課題を同時に解決し得る次世代の交差点構造「反転交差点」に、交通工学分野と行政の注目が集まっている。左側通行を基本とする日本の道路環境では、右折車両は対向直進車の流れが途切れるまで交差点内で待機せざるを得ない。通行量の多い幹線道路ではこの待機行列が後続の直進車両の流れを妨げ、信号待ちに起因する渋滞が慢性化しているほか、右折のタイミング判断の誤りによる右直事故も後を絶たない。

反転交差点は、主交差点の手前数十メートルの地点で右折専用車線を対向車線側へ一時的に移す、車線配置そのものをねじる発想に立つ。右折しようとする車両はあらかじめ設けられた車線交差地点を通過し、対向車線側に一時的に位置を移す。この構造により、主交差点に到達した時点では右折車両の走行軌跡と対向直進車の軌跡が重ならないため、対向車線を気にすることなく右折方向へ進むことができる。

引用:記事の内容と関連しAIツールで作成されたイメージ
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この車線配置がもたらす効果は小さくない。従来の交差点では直進信号の後に右折矢印信号を別途設ける多段階の信号制御が必要だったが、反転交差点では交差点内の交差地点を制御するだけで済むため、信号サイクルは2パターンに簡略化される。これにより赤信号での待機時間の短縮が見込まれるほか、対向直進車線との物理的な交差そのものがなくなることから、右直事故のリスクを構造的に低減する効果が期待されている。

米国では「ダイバージング・ダイヤモンド・インターチェンジ(DDI)」と呼ばれる同種の構造が既に複数箇所で試験的に導入されており、高速道路のインターチェンジや、バイパスと一般道が立体交差する接続部で効果を上げているとされる。日本でも横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院の田中伸治教授を中心に、2022年度から事業化可能性調査(FS研究)を進め、2024年度からは本格的な研究段階に移行した。2024年11月には交通工学研究会内に「反転交差点分科会」が設立され、産学官連携での検討が本格化している。

想定されているのは国道357号の千鳥町交差点や環八通りの谷原交差点のような、高架・掘割のバイパスと地上道路が接続する立体交差点で、仙台市の国道4号山崎交差点をモデルにしたドライビングシミュレーターによる走行実験では、右折交通量が多い場面ほど対向車を気にせず走行できて楽との好意的な評価が得られたという。一方で、既存の交差点に比べて広い用地が必要になることや、一時的に対向車線側を走行する構造に対する運転者の心理的な戸惑いを防ぐための標識・路面表示の整備といった課題も残る。国土交通省はラウンドアバウト(環状交差点)と同様に、将来的な設置ガイドラインの策定を目指しているという。

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