
日産が昨年、新型マイクラ(Micra)を公開したのに続き、それよりも小さいクラスの超小型エントリーEV「ウェーブ(Wave)」の発売を準備しているとみられる動きが捉えられた。海外のスパイショットで姿を見せたウェーブは、ルノーの超小型EV「トゥインゴ(Twingo)」をベースに、日産のデザイン言語を取り入れた姉妹モデルだ。最近、ルノー・日産・三菱アライアンス内で小型EVプラットフォームの共有が活発になる中、日産も2万ユーロ(約371万円)以下の低価格EV市場を攻略するため、ルノーの超小型シャシーを積極的に活用している様子だ。厚いカモフラージュに覆われているものの、日産特有のフロントデザインのファミリールックが車体の随所に取り入れられており、半額EV時代を切り開く中核的な普及モデルとしての地位を固めつつある。

テストカーの外観は、ルノー・トゥインゴの丸みを帯びた全体的なシルエットを共有する一方、前後のディテールには日産独自の印象を与えるための変更が目立つ。従来のトゥインゴが丸型のヘッドランプデザインを採用しているのに対し、日産ウェーブはより角張った四角形のライティングユニットを採用した。さらに下部にはC字型のデイタイムランニングライト(DRL)シグネチャーを取り入れ、シャープで立体感のあるフロントデザインに仕上げている。フロントグリル部分は中央バーの幅を広げ、キューブ形状の吸気口デザインを採用することで、より現代的な雰囲気を演出した。サイドシルエットはベース車の愛らしいボックスカーのプロポーションを維持しつつ、空気抵抗を抑えて航続距離を最大化できるよう、日産専用にデザインされたエアロダイナミックホイールが採用されるとみられる。リアも煩雑なバンパー装飾を減らし、すっきりとしたテールランプグラフィックによって、よりシンプルで整ったデザインとなっている。

スパイショットで一部が明らかになった室内は、曲線を描く上部ダッシュボードパネルとフローティングタイプのインフォテインメントスクリーンが目を引く。ベースとなったルノー・トゥインゴの室内レイアウトから大きく外れない構成だ。7インチのデジタルクラスターと10インチのセンターインフォテインメントディスプレイを組み合わせ、超小型セグメントながら先進的なデジタル感を十分に取り入れている。車体は小さいものの、効率的なシート配置により、都市部での短距離移動や通勤用途に不足のない居住性を確保する。過度な高級素材の採用ではなく、直感的なボタン配置と実用的な収納スペースの確保に重点を置くことで、車両価格の上昇要因を抑えながら、ドライバーに必要な最新のコネクティビティ機能を備えた実用重視の構成となる予定だ。

パワートレインは、容量27.5kWhのリチウムイオンバッテリーパックと、最高出力80馬力(60kW/82PS)、最大トルク175Nmを発揮する電気モーターを組み合わせる。停止状態から100km/hに到達するまで12.1秒を要し、最高速度は130km/hに制限されるなど、市街地や幹線道路での走行に最適化されたスペックとなっている。スピード感を楽しむスポーツカーではないものの、WLTP基準で最大263kmの十分な1回充電航続距離を確保し、日常的な都市部での利用に対応する。予想販売価格はルノー・トゥインゴと同程度の1万9,500ユーロ(約362万円)になる見通しだ。日産ウェーブは、手頃な価格と実績のあるEV技術を武器に、欧州や世界の低価格EV市場でコストパフォーマンスに優れた有力な選択肢として定着することが期待される。