
世界最大の自動車市場である中国で輸入・合弁ブランドの存在感が急速に低下するなか、ホンダは中国市場に踏みとどまる姿勢を示した。広州汽車集団(GAC)との合弁契約を2038年まで10年間延長することで合意。韓国市場からの撤退を進めたホンダにとって、中国は諦められない激戦地と位置づけられたとみられる。

中国では電動化が急速に進み、BYDなど中国メーカーがコスト力とデジタル技術で市場シェアを拡大、ホンダは販売台数の急減という打撃を受けた。今回の合弁延長は中国特化のEV戦略見直しの表れであり、車体設計から生産工程まで製造方式全般を再設計し巻き返しを図る。

合弁延長でホンダは中国という巨大市場で戦う基盤を確保したが、中国メーカーとの技術・価格面の格差は自動的には埋まらない。フィットのような小型車や内燃機関車中心のラインナップに留まれば淘汰されかねず、SDV技術と価格競争力ある次世代バッテリーの早期投入が今後の主導権回復を左右する。

GACとの合弁契約10年間延長は、中国市場からの撤退を防ぎ生き残りを図る防御的な勝負手だ。世界最大市場の拠点を守った以上、残る課題は中国の先行メーカーを脅かす電動化技術を証明すること。次世代バッテリーと新EVラインナップの成否が2038年までのホンダの未来を決める。