
【引用:Depositphotos】かつてテスラの対抗馬と目され、EVオールインを掲げてきたフォード・モーターが、戦略の大規模修正に踏み切った。低迷するEV需要、想定を超える製造コスト、急変する規制環境という三重苦を前に、純電気自動車中心からの脱却を決断。市場の熱狂よりも実需と収益性を優先する、生存を賭けた現実路線への転回といえる。

【引用:Depositphotos】象徴的なのがF-150ライトニングEVの生産中止だ。加えて欧州・北米向け電気商用バンの開発計画も白紙化され、結果として約195億ドル規模の損失計上が見込まれる。巨大メーカーであってもEV転換の難度は想定以上であることを示し、電動化市場に冷静な警鐘を鳴らした。

【引用:フォード】戦略の軸足はハイブリッドと走行距離拡張型電気自動車へ移る。F-150はEREVとして再構築され、用途適合とコスト最適化を両立させる構えだ。フォードは2030年までにハイブリッド、EREV、純EVを含む電動化モデル比率を約50%へ引き上げる目標を掲げ、段階的かつ実装重視の電動化を進める。

【引用:Depositphotos】商品計画も多層化する。燃費重視から高性能志向、外部給電を備えた実用型まで幅広いハイブリッドを展開し、需要の振れに即応する。またLFPプリズム型セルの内製化と共通EVプラットフォームの活用で、小型EVの採算性改善も図る。

【引用:YouTubeチャンネルブルームバーグテレビジョン】さらに余剰バッテリー能力を活かし、電力系統支援やデータセンター向けの蓄電システム、住宅用エネルギー貯蔵へ事業を拡張。EVからの後退ではなく、収益性と持続性を重視した電動化の再定義である。この現実路線は、業界全体に戦略再考を促す重要な示唆となる。