BMW X5、電動化戦略の中核へ
空力と存在感が融合したエクステリア
快適性と先進技術をひとつに

BMWはフルモデルチェンジを受けた5代目『X5』を正式発表し、内燃機から水素燃料電池までをわたる「フルスペクトラム電動化」を全面に掲げた。大型SUVセグメントの中心である同車は、新しいデザイン哲学によって存在感を増し、電動化戦略の中核を担うモデルへと進化した。
エクステリアはスリム化したキドニーグリルと空力を考慮したバンパーが精悍さを強調し、全長5 m超のロングボディが圧倒的な迫力を放つ。スポーティに傾斜したテールゲートは動感を高め、LEDシグネチャーライトと再設計したテールランプが夜間視認性を向上させる。


EV時代を見据えた先進ディテール
操作性と楽しさを両立したコックピット
タッチセンサー式ドアハンドル、22インチ大径ホイール、鋭いキャラクターラインは次世代EVに通じるディテールだ。電気版『iX5 BEV』向けに最適化した薄型バッテリーパックは床下に収まり、前後重量配分を最適化。Cd値0.29を達成し、高速域での安定性と航続距離の両立を図る。
インテリアは独立型の12.3インチデジタルメーターと14.9インチのフローティングインフォテインメントを配置し、ドライバー指向のコックピットを実現する。助手席専用ディスプレイの追加によって乗員のエンターテインメント性も拡充され、最新「BMW OS X」が音声操作、ジェスチャー、OTAアップデートを統合し、ソフトウェア面の将来性を確保した。

パワートレインは電動化フルラインアップ
快適性と実用性も抜かりなし
パワートレインはガソリン・ディーゼル(xDrive40i/40d)、プラグインハイブリッド(xDrive50e/M60e)、純電動(iX5 BEV)、レンジエクステンダー仕様(iX5 REx)、水素燃料電池車(iX5 Hydrogen)まで網羅する。水素モデルはトヨタ製第3世代セルを採用し、最高出力401 ps相当を発揮しつつ2028年量産開始を予定。全車に48 Vマイルドハイブリッドと最新ADASを標準装備し、高速道路ハンズフリードライブや自動車線変更をサポートする。
ラゲッジ容量は3列仕様でも650 L超を確保し、電動上下分割テールゲートの下部をアウトドアチェア代わりに活用できる。室内素材の30%以上にリサイクル原料を導入し、クリスタル装飾付き内装やBowers & Wilkinsサウンドをオプション設定。価格は従来型比で数%上昇する見込みだが、電動化技術と質感を加味すれば依然として競争力を維持するとBMWは強調する。