
電気自動車の所有者にとって、バッテリー火災ほど恐ろしい事故は珍しい。ヒョンデと起亜は、その危険性を理由にそれぞれリコールを実施した。対象は両社合わせてわずか14台だが、所有者には修理が完了するまで、必ず屋外の建物から離れた場所に駐車するよう異例の案内が出された。原因は、バッテリー供給会社のSKオンが納入したバッテリーセルの電極位置のずれで、内部短絡が火災につながる可能性があるという。
規模は両社合わせて14台にとどまる
今回のリコールは、バッテリーセル内部の電極がずれ、内部短絡が発生する可能性があるという同じ不具合に起因する。ヒョンデは、2023~2024年式のIONIQ 5、6台の高電圧バッテリーセルに電極位置のずれがある可能性を明らかにした。
起亜も同じ原因により、2022~2024年式のEV6、7台と、2024年式のEV9、1台をリコールの対象とした。両社を合わせても14台と規模自体は非常に小さい。しかし、不具合の性質を考慮すると、対象車の所有者にとっては決して軽い問題ではない。
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)に提出された文書で、SKオンはこの問題を品質のばらつきと説明した。
火災はなぜ起きるのか、修理はどうなるのか
問題が深刻に受け止められている理由は、火災が発生する可能性のある状況にある。ヒョンデは、この不具合が車両の駐車中と走行中のいずれの場合でも火災につながる可能性があると警告した。停車しているからといって安心できるわけではない。

修理方法について、起亜は電極が正しく配置されたセルで構成する高電圧バッテリーパック全体を交換すると明らかにした。ヒョンデは具体的な修理手順をまだ公表していないが、原因と供給会社が事実上同じであるため、同様の交換が行われるとみられる。
対象は14台でも、リコールの重みは軽視できない
修理が完了するまで、所有者が守るべき対応も案内された。充電量は80%を上限とし、車両は屋外の建物から離れた場所に駐車する必要がある。リコール通知には明記されていないものの、屋外であっても、ほかの車両から距離を置いて駐車する方が安全である。通知日程を見ると、ディーラー向けの通知は7月6日に発送され、所有者向けの通知は8月7日に発送される予定となっている。
対象が14台に限られるため、今回のリコールは規模だけを見れば目立つものではない。しかし、バッテリー火災という危険性に加え、「自宅から離れた場所に駐車するように」との案内が付いたことを考えると、決して軽視できる問題ではない。
対象車の所有者は通知を待つ間、充電量の上限と駐車場所に関する勧告を守ることが望ましい。