
中国乗用車協会(CPCA)が発表した販売データによると、4月の中国国内における内燃機関車の販売は前年同月比で大幅に減少した。販売上位10車種のうち8車種を電気自動車(EV)が占め、プラグインハイブリッド車(PHV)が1車種、内燃機関車は1車種にとどまった。
乗用車販売台数全体が前年同月比で21.5%減少するなか、ガソリン車の落ち込みがとりわけ顕著となった。一方、新エネルギー車のシェアは引き続き拡大した。年初には販売上位10車種の多くを内燃機関車が占めていたが、わずか数か月で市場の構図は大きく様変わりした。
4月ランキングを塗り替えた中国EV新興勢力の躍進
4月の販売ランキングを見ると、中国ブランドの躍進と電動化の進展が際立つ。吉利EX2が首位を獲得し、Xiaomi SU7がそれに続いた。テスラ・モデルYや理想i6など、上位の多くを電気自動車やプラグインハイブリッド車が占めた。吉利クールレイが唯一の内燃機関車として上位に名を連ねた。
中国系メーカーが席巻する販売上位10車種の電動化比率
中国系メーカーが販売した車両では新エネルギー車の比率が大幅に高まる一方、外資系との合弁企業による販売では新エネルギー車比率は依然として低水準にとどまっているとされる。中国の消費者の選好が新エネルギー車へ大きく傾いていることがうかがえる内容となっている。
ガソリン車販売の急減については、イラン情勢を巡る石油ショックの影響も指摘されている。国際原油価格が乱高下し、ホルムズ海峡を航行するタンカーの輸送ルートが混乱するなか、石油依存度の高いアジア諸国で先行きへの懸念が広がった。中国は大規模な再生可能エネルギー投資と電気自動車の高い普及率を背景に影響を一定程度抑え込んだものの、消費者の間でも石油依存に対するリスク意識が急速に高まっている。
国内市場低迷を補う輸出急増と「構造転換」が加速する中国
中国国内市場の不振が続く一方で、輸出は力強い成長を見せている。中国の自動車輸出は引き続き高い伸びを示しており、日本やドイツを上回って世界最大の自動車輸出国としての地位を固めつつある。輸出のうち新エネルギー車が大きな割合を占めており、世界の電気自動車市場の拡大を中国が牽引する構図となっている。
こうした動きを一時的な現象ではなく、構造的な転換点と捉える見方が広がっている。海外メーカーはこの1年余り、電気自動車シフトの減速論を唱える動きが目立ったものの、市場の流れは止まらなかった。内燃機関車の販売台数が2017年のピークを再び上回ることはないとの見方も強まっており、この傾向は中国にとどまらず世界市場全体に及ぶとの予想も出ている。