
エンジン警告灯の不具合で数か月の間に3回も修理入庫を受けたメルセデス・ベンツのセダンが、整備工場から出庫された翌日、走行中に車両火災に見舞われた。
車両所有者は車両側の欠陥を主張し、メーカーを告訴したが、メルセデス・ベンツ側は「技術的欠陥はない」として補償に難色を示しており、責任をめぐる対立が続いている。
C300がトンネル内で全焼・廃車に
韓国警察などによると、火災は3月8日午後1時15分頃、釜山(プサン)で発生した。Aさんが運転していた2024年モデルのメルセデス・ベンツC300は走行中にアクセルを踏んでも加速しなくなり、トンネル内で停止した。
直後に助手席側のボンネットから火花が上がり、Aさんが緊急避難した後、出動した消防隊により約17分で鎮火された。この火災で車両の前面部が全焼し、最終的に廃車となった。
4か月で3回入庫の修理履歴が争点
争点となっているのは、当該車両が度重なる不具合により長期にわたり修理を受けた直後に火災が発生したという点である。
Aさんらによると、車両は火災前の4か月間、エンジン警告灯の不具合により3回も整備工場に入庫されたという。事故前日の3月7日に最後の修理を終えて車両を引き取ったが、翌日に乗車した直後、再びオイル臭とともにエンジン警告灯が点灯したと説明している。
Aさんによると、運転は可能なので帰宅して待つようにとの整備工場側の案内を受け、その指示に従って走行したところ、トンネル内で事故に遭ったとのことだ。Aさんはドライブレコーダーに記録された走行中のエンジン回転数(rpm)の急低下などを根拠に、車両が十分に修理されないまま出庫されたと主張している。
消防報告書「電子機器不具合の可能性排除できず」
こうしたことから、Aさんは、メルセデス・ベンツ・コリアと販売店、整備工場の関係者を業務上過失傷害容疑で警察に告訴した。あわせて、車両購入代金6,880万ウォン(約735万円)全額と精神的被害の慰謝料も要求している。
消防当局の調査結果もAさんの主張を裏付ける内容となっている。消防当局は火災調査報告書において「複数回にわたるエンジン警告灯点灯による入庫履歴と火災直前の出力低下現象などを踏まえると、エンジンの機械的要因や電子機器の不具合など、原因不明の出火の可能性を排除できない」と明らかにした。
ベンツ側「外部要因の可能性」と二重賠償禁止
これに対し、メルセデス・ベンツ・コリア側の姿勢は強硬だ。
メルセデス・ベンツ・コリアの関係者は「車両システムにおいて火災を引き起こすような直接的な技術的欠陥、すなわちエンジンオイル漏れや電気系統のショートといった事象は確認されなかった」とし、「出火の原因を決定づける証拠がない以上、外部要因により発生した可能性も残されている」と反論した。
追加補償の要求に対しても応じない構えだ。Aさんが既に加入していた任意自動車保険を通じて車両価格の一部について補償を受けているため、メーカーがさらに賠償金を支払えば「二重賠償禁止の原則」に反するというのが理由だ。
メルセデス・ベンツ側は「今後、保険会社から求償権の行使があれば、製造物責任法に従って当該保険会社に賠償するのが原則」と付け加えた。