
米共和党のバーニー・モレノ上院議員が中国の自動車産業を「がん」と断じ、米国市場への進出を完全に封じ込めるための強力な法案導入を推進している。オハイオ州出身のモレノ議員は、4月中に中国製自動車の輸入禁止にとどまらず、ソフトウェアや部品、さらには欧米企業とのパートナーシップまでを遮断する内容の法案を提出する計画だ。今回の動きは単なる貿易障壁の構築を超え、中国の自動車エコシステムが米国内に根付くあらゆる経路を事前に遮断しようとする狙いがある。
モレノ議員は最近開催された自動車フォーラムにおいて、中国車が米国市場に浸透するいかなるシナリオも許容すべきではないと強調した。予告された法案は完成車の輸入だけでなく、車両に搭載されるソフトウェアや核心部品のサプライチェーンまでを網羅し、ピンポイントで制約を課すものだ。特に、中国企業と欧米の自動車メーカーによる合弁投資や技術協力までを規制対象に含めることで、迂回的な市場参入の可能性を根本から封鎖しようとする強い姿勢を鮮明にしている。
米国市場を「がん」から守るためには、カナダやメキシコ、欧州など周辺国の足並みを揃えることが不可欠だというのがモレノ議員の主張だ。同議員は、米国が防壁を築くのであれば、他国はすでに浸透した影響力を排除するために「化学療法」に例えられるような強力な措置を講じるべきだと表現した。これは、メキシコを生産拠点として活用したり、カナダを通じて北米市場への進出を図ったりする中国企業の戦略を直接的に牽制した発言といえる。
こうした米国の強硬な立場とは対照的に、隣接する周辺国はより開放的な姿勢を見せている。カナダは3月から、既存の100%という高率関税を廃止し、年間4万9,000台規模の輸入クォータ制を導入した。関税率を6.1%に大幅に引き下げ、中国製電気自動車(EV)の輸入に門戸を開いている。メキシコにおいても、すでに中国製車両の市場シェアが20%に迫り、中国自動車業界の主要な輸出拠点としての地位を固めつつある。地理的に接続された北米自由貿易圏内で各国間の規制格差が広がる中、今後は通商紛争の火種となる可能性が極めて高まっている。