
【引用:フェラーリ】イタリアの名門フェラーリが、ついに電気自動車時代に本格参入した。10月8日、マラネッロ本社で開催された「テクノロジー・イノベーションワークショップ キャピタルマーケットデー」にて、同社初の純電気プラットフォーム「フェラーリ・エレトリカ」を発表した。内燃機関の象徴であるフェラーリが電動化をどのように捉えるかを示す、ブランドの転換点となる発表だ。CEOのベネデット・ヴィーニャ氏は「電動化はフェラーリのDNAを変えるものではなく、新たな表現方法として進化させる」と語った。

【引用:フェラーリ】エレトリカはフェラーリが培ってきたF1由来のハイブリッド技術を集約した完全電動スーパーカーで、同社初の純EVプラットフォームとして開発された。前後に2基ずつ、計4基の独立モーターを搭載し、最高出力は1,000馬力。0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は310km/hを超えるとされる。駆動力の配分を精密に制御することで、これまでの内燃機関モデルを凌ぐレスポンスと安定性を実現している。

【引用:フェラーリ】さらにフェラーリは、電動車でも「ドライバーとの一体感」を維持するために「トルク・シフト・エンゲージメント(Torque Shift Engagement)」技術を開発。モーター出力を段階的に制御することでシフトチェンジの感覚を再現し、電動車に欠けがちな加速の抑揚とリズムを再構築した。また、車内スピーカーと振動制御を組み合わせ、エンジンの鼓動を感じるような新しいサウンド体験を実現したとされる。

【引用:フェラーリ】注目すべきは、韓国のバッテリーメーカーSKオンの技術が採用された点だ。エレトリカにはSKオン製の高出力バッテリーが搭載され、1回の充電で約530kmの航続を実現。バッテリーパックは車体と一体構造とし、剛性を高めながら重心を約8cm低く設計している。加えて、車体の75%にリサイクルアルミを使用し、1台あたりのCO2排出量を約6.7トン削減するなど、環境性能にも重点を置いた。フェラーリの伝統的な「走りの美学」と持続可能性の融合がここにある。

【引用:フェラーリ】フェラーリは「エレトリカ」で電動化時代における「運転する歓び」の再定義を目指している。新型は1秒間に200回以上の演算を行うアクティブサスペンションを備え、路面状況に応じてリアルタイムに制御を最適化する。ジャンマリア・フルジェンツィCPDOは「我々の答えは、電気でも魂を持つフェラーリだ」と語り、2026年春の完成モデル発表を予告した。伝統と革新が交錯するこの挑戦が、スーパーカー市場の勢力図を塗り替える可能性がある。