
テスラのエンジニアリング担当副社長ラース・モラビー氏は、最近の米メディアのインタビューで、ミドルサイズEVピックアップトラックの開発が社内で検討されていることを明らかにした。
現在、テスラのフルサイズEVピックアップ「サイバートラック」は販売が伸び悩んでおり、2025年上半期の販売台数は約1万台にとどまる。これは、競合モデルであるフォードの「F-150ライトニング」に比べて約3,000台少ない。販売が振るわない最大の要因は価格の高さにある。F-150ライトニングのエントリーモデルが5万1,975ドル(約776万円)であるのに対し、サイバートラックは6万9,990ドル(約1,045万円)と大幅に高額だ。
テスラのイーロン・マスクCEOも、サイバートラックの価格が想定よりも高すぎることを認めており、より手頃なモデルの必要性について言及していた。

モラビー氏によれば、このミッドサイズピックアップのアイデアはすでにテスラのデザインスタジオで継続的に議論されているという。また、自動運転機能を活用した「ロボタクシー」の可能性にも触れ、人の移動手段にとどまらず貨物輸送にも対応できることを強調した。サイバートラックをベースにしたロボタクシー仕様の展開も視野に入れているようだ。
さらに、テスラはより低価格帯のモデルの充実にも注力している。2025年第2四半期の決算発表では、低価格版「モデルY」の初期生産をすでに開始したことを明かし、今年後半には量産体制に移行する予定であるとした。