
現代のスポーツカーに1980年代のレトロな情緒を吹き込む、画期的なチューニングキットが登場した。大阪のチューニング専門店「リザルトジャパン(ResultJapan)」が開発した「NEO86」ボディキットは、現行のトヨタ・GR86を伝説の名車「AE86スプリンタートレノ」の姿へと変貌させる。
■過去と現代の融合
NEO86キットの最大の特徴は、1990年代以降の安全基準等の変化により姿を消した「ポップアップ・ヘッドライト(リトラクタブル・ヘッドライト)」を現代の車両に実装した点にある。実際に作動するこのヘッドライトは、フラットなボンネット、ブラックバンパー、アンバー色のウインカー、イエローのフォグランプと調和し、80年代特有の雰囲気を完璧に再現している。
リザルトジャパンは、フロントガラスより前の全パネルを交換。アグレッシブに張り出したワイドフェンダー、新しいドアパネル、延長されたサイドスカート、そしてダックテールスポイラーを備えたリアバンパーを追加することで、1980年代のチューニングカーのシルエットを現代的な比率で再解釈した。
■『頭文字D』の感性を再現
NEO86は、人気漫画・アニメ『頭文字D(イニシャルD)』の主人公、藤原拓海の愛車として知られる「トヨタ・スプリンタートレノ(AE86)」から強いインスピレーションを受けている。ホワイトのボディ下部をブラックで引き締めた「パンダトレノ」スタイルのツートンカラーに、正統派のワタナベホイールを装着し、原作の感性を忠実に表現した。
トヨタの「86」シリーズはAE86の精神的な後継車として誕生し、軽量・後輪駆動(FR)という特徴を継承している。しかし、現代のデザイン規制により、AE86の象徴であるリトラクタブル・ヘッドライトの再現はメーカー純正では不可能とされていた。

■専門メディアによる高い評価
米自動車専門メディア「GearPatrol」は、「バックデーティング(旧車風カスタム)は不自然に見えがちだが、NEO86は驚くほど調和している」と評価。サイドプロポーションにおいてAE86とGR86の要素が混在しながらも、全体として高い完成度を保っていると分析した。また「TheDrive」は、ヘッドライトを収容するために独自にカットされたボンネットや、純正とは一線を画すバンパーデザインなど、統合的なデザインアプローチを称賛している。
■キット構成と販売情報
NEO86ワイドボディキットは、リトラクタブル・ヘッドライト、スリムなボンネット、前後バンパー、ドアパネル、サイドスカート、ワイドフェンダー、トランクリッドスポイラーなどで構成される。外装中心のキットだが、GR86の走行性能を活かしたシャーシのアップグレードとも柔軟に組み合わせが可能だ。
NEO86は1月9日開幕の「東京オートサロン2026」で公式デビューを飾り、リザルトジャパンは会場で先行予約を開始する。価格は未発表だが、同社の既存のGR86用キットが約63万8,000円であることを考慮すると、これを上回る価格帯が予想される。なお、本キットは初代(ZN6型)および新型(ZN8型)の86/BRZモデルに対応し、海外市場でも販売される予定だ。