フェラーリ大論争…29年ぶり復活の「テスタロッサ」、性能は頂点級もデザインは“史上最悪”!?

復活した「テスタロッサ」の名
酷評の陰に隠れた技術革新
伝統を揺さぶるフェラーリ

引用:フェラーリ

フェラーリが新型ハイパーカー「849テスタロッサ」と「849テスタロッサ・スパイダー」を発表した。SF90ストラダーレの後継にあたり、1956年に始まり1984年、1996年と続いた歴史的名称「テスタロッサ」が29年ぶりに復活。ファンの期待を集めたが、公開されたデザインに対しては否定的な反応が相次ぎ、議論を呼んでいる。

849テスタロッサはV8ツインターボエンジンと電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドを搭載し、システム総出力は1,000ps超を誇る。フェラーリ量産車史上最大のターボチャージャーを採用し、驚異的な加速性能を実現。前後に配置された電気モーターは合計220psを発揮し、オンデマンド四輪駆動とトルクベクタリングによって様々な路面状況で最高のパフォーマンスを発揮する。

引用:フェラーリ
引用:フェラーリ

最先端技術の集大成
デザイン批判と賛否の声

ブレーキ・バイ・ワイヤとABSエボ制御により制動性能は飛躍的に向上。スプリングとダンパーは全面的に再設計され、限界域でも安定した挙動を確保した。徹底的な軽量化によって先代SF90と同等の車重を維持しながら、最高レベルの出力重量比を達成している。技術的にはフェラーリの最先端を凝縮した存在といえる。

一方でデザインは激しい批判にさらされている。往年のテスタロッサが持っていた流麗な曲線美は見られず、直線的で攻撃的すぎる造形に違和感を覚える声が多数を占めた。「名前にふさわしくない」「魂を失った」といったコメントがSNSを中心に噴出し、酷評が広がった。

引用:フェラーリ
引用:フェラーリ

デザイン路線の断絶
ブランド価値を揺さぶる試金石

背景には、かつてのピニンファリーナによる優雅な造形と、現デザイン責任者フラビオ・マンツォーニが進めるモダンでシャープな路線との断絶がある。新型「12チリンドリ」や「F80」も同様の理由で批判を浴びたが、伝統ある「テスタロッサ」の名を冠した今回のモデルは、その落差がより強調される結果となった。

849テスタロッサに対する反応は単なるデザイン論争にとどまらない。革新的な技術を搭載しながらも「フェラーリらしさ」を表現できなければ、ブランド価値そのものが揺らぐ可能性を示唆する。革新と伝統のはざまで、フェラーリがどのように道を選ぶのか。849テスタロッサは、その未来を占う試金石となっている。

あわせて読みたい

関連キーワード

コメントを残す

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  • モバイルバージョンを終了